2018-01-01から1年間の記事一覧
ニールは、キーティング先生の理想にいちばん反応した生徒だと言ってよいだろう。父親の支配の強さは、映画冒頭からしっかり伏線がはられている。 映画「いまを生きる」1989年アメリカ 第62回アカデミー賞脚本賞受賞 監督 /ピーター・ウィアー 脚本/ トム…
キーティング先生はソクラテスなんだな、と思った。 映画「いまを生きる」1989年アメリカ 第62回アカデミー賞脚本賞受賞 監督 /ピーター・ウィアー 脚本/ トム・シュルマン 出演/ロビン・ウィリアムズ ロバート・ショーン・レナード イーサン・ホーク ソ…
全寮制の学校での生徒の死という物語といえば、私は萩尾望都の漫画「トーマの心臓」を思い出す。 映画「いまを生きる」1989年アメリカ 第62回アカデミー賞脚本賞受賞 監督 /ピーター・ウィアー 脚本/ トム・シュルマン 出演/ロビン・ウィリアムズ ロバー…
先の記事【「日本の同時代小説」斎藤美奈子①】で、純文学という名の私小説の極めて日本的な鬱屈について書きました。 奇しくも2018年秋シーズンテレビドラマに「私小説/純文学作家」が登場していました。 「大恋愛~僕を忘れる君と~」TBS(2018年9月~1…
私はいわゆる日本の「純文学」なるものが好きではない。ものすごく素晴らしいもののように日本文学史で学習するけれど、それは「私小説」ってやつでそしてとてもネガティブだ、とずっと思ってきました。 「日本の同時代小説」 斎藤美奈子著/岩波新書 を読ん…
2018年秋ドラマが続々最終話をむかえています。 いつもながら視聴率と質は必ずしも一致しないわけですが、今シーズンもそれを見事に示してくれたドラマがこれでした。 今シーズンの「ねことんぼ評価」1位です。 「僕らは奇跡でできている」フジテレビ(カン…
あなたは誰と話をしますか? 話し相手がいますか? 相談できる誰かがいますか? こんなツィートがありました。 エリック ・C@x__ok日本に自殺者が多い理由は仕事が長時間だったり競争社会であることがあるが、それよりも多くの人が普段から話し合える友人を…
夜中2時すぎ。 ふと気づくと、NHK「ラジオ深夜便」からモーツァルトが流れていた。 なんだか懐かしい。 そういえば最近、モーツァルトを聴いていなかった。モーツァルトどころか、クラシックをじっくり聴いていない。 「NHK名曲アルバム選 モーツァルト…
「刑務所」について考えるとき「刑罰」に思いを致さないわけにはいきません。 「刑罰」は、つまり罪を犯した人間に罰を与えて懲らしめる、ということです。 「刑罰」犯罪を犯した者に対して与えられる法律上の制裁。 (明鏡国語辞典) その罰を与えられてい…
なるほど。「欲望の解放」ですか。 臨床心理士、カウンセラーが絡んだ事件ということで、占い師の私としては興味深い刑事ドラマでした。 「警部補 碓氷弘一 マインド」 テレビ朝日 日曜プライム スペシャルドラマ 2018年11月25日放送 原作/今野敏 脚本/高…
「結婚は義務ではありません」 中学時代のトラウマから潔癖症で引っ込み思案な性格になってしまった主人公が、最終回、集会のスピーチでそう叫びます。潔癖症もすっかりなくなっていました。 「結婚相手は抽選で」 フジテレビ(東海テレビ)2018年秋ドラマ …
確かにお金はいくらあっても困らないのですが、いや、お金がないと困ります。生きていけません。ごはんが食べられません。何も食べることができないと死にます。 カルロス・ゴーン。どれほどすごい方なのか私など市井に生きる者には知る由もありません。 一…
100個、誰かのすごいところを言う。 人って、どちらかというと注意ばかりしていたり、悪いところ、欠点ばかりを指摘してしまいがち。褒めるということは、まずしない。すごいと思っても、悔しくてなのか、貶したりしてしまう。身に覚えのある人多いのでは?…
「フェアメン」って呼ぶんだ。「フェミニズム」よりも穏やかでいいかもしれない。 思わずそう思ってしまいました。 「フェミニズム」という言葉には、どうもネガティブな印象もつきまとっているようで、使い難い感が否めません。 フォトジャーナリストの安田…
今のままの日本で、高齢者と若者は平和に共存していけるのでしょうか? 多様性と同時にさまざまなヘイト感情が顕著になるなか、もしかしたら高齢化社会で最も懸念すべきは、若者の心に芽生えはじめている老人排斥感情、いや排斥主義なのかもしれません。 老…
いきものがかりが放牧から約2年で集牧、紅白歌合戦でそのスタートを切るとか。 先日ちょうど「ゲゲゲの女房」を、ものすごく遅ればせながら、一気見しました。あの主題歌「ありがとう」は、見事にこのドラマの夫婦を語ってくれています。 「ゲゲゲの女房」…
このドラマは、いったい何を言わんとしているのか分からない、理解できない、ただのファンタジーだ、意味がわからない……と評する、いわゆるドラマ批評家たちは多いようです。 あぁそうなんだ、本当に分からないんだ、というのがその批評を聞いた私の感想です…
「ナナメの夕暮れ」 若林正恭著 文藝春秋 「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」(KADOKAWA)について書いたとき、はたして著者は、お笑い芸人としてかなり成功してそしてどう変化したのだろう、という疑問の余地を残しておきました。「表参道のセレ…
2018年11月のある朝、 あるツィートから、 「これじゃあ、こうなるよね」 と思ったこと。 ながしま@incubatorN0712 学生に新しい権利を考えてもらったら、「迷惑な人間を罰する権利」「歩きタバコをなくす権利」「選挙に強制的に行く権利」「報道を規制する…
「僕らは奇跡でできている」フジテレビ(カンテレ)火曜夜9時 脚本/橋部敦子 出演/高橋一生 榮倉奈々 要潤 児島一哉 戸田恵子 小林薫 田中泯 主人公・相河一輝(高橋)は動物行動学を研究している大学講師。 一輝はかなりの変人だが、その素直で率直な言…
NHKBS世界のドキュメンタリー 「透明人間になった私」2015年フランス を観ました。 海外のドキュメンタリーを観るときいつも思うのが、失礼を承知で言わせていただくのですが、こういう番組、日本にはつくれないよな、ということ。 それはさておき…、「…
「生涯現役時代」だそうです。 私は、中学生のとき、どこからきた何のためのものだったのかは覚えていませんが、なにやらアンケートに答えさせられました。 そのなかのひとつの質問が「あなたにとって青春とはいつですか?」というようなものでした。私は「…
「失業しても幸せでいられる国 フランスが教えてくれること」 都留民子著 日本機関紙出版センター 「誰もが幸せになる 1日3時間しか働かない国」の記事でも書きましたが、 この本を読むと、日本という国は不幸な国だとしか言いようがありません。 この本の…
「誰もが幸せになる 1日3時間しか働かない国」 シルヴァーノ・アゴスティ著 マガジンハウス 小説です。 ルネサンス時代、トーマス・モアの「ユートピア」という小説がありましたが、これは社会批判の目的で書かれた色合いが濃く、のちにモアは処刑されます…
「いま 世界の哲学者が 考えていること」 岡本雄一朗著/ダイヤモンド社 という本があります。 この本では、古代から哲学がになってきたこと、そして現在の世界はどのような思想的状態にあるのかを、主要な思想家とその思想を紹介しながら示しています。 「…
流れてくるととても気分が悪くなる人材探し、人材募集のCMがあります。ちょっと検索してみたところ、同様の感想を持つ人たちが意外といることを知りました。 「いい人がいない」とか「優秀な人」とか「キラッキラ」とか「有望な」とか。 これはどちらへ向…
ジュリーこと沢田研二が、公演をドタキャンしたという報道がありました。 10月16日(2018年)の毎日新聞夕刊で、ちょうどジュリーのコンサートをほめたたえる記事を読んだばかりだったので、え?と焦りました。 つまり、病気?倒れた?え~、最近は「バイバイ…
BS-TBS「報道1930」2018年10月17日放送。 立憲民主党の枝野代表が出演するというので、チャンネルを合わせました。 司会の松原耕二の質問は、他の報道番組よりはいつも手厳しいので嫌いではないが、野党への質問としては、いわゆる現在の報道通念の域を…
つかこうへい、でしたね。 学生のころ、新宿紀伊國屋ホールへ、つかこうへいの演劇をよく観に行きました。 風間杜夫、平田満、石丸 謙二郎が舞台に立っていました。 「傷つく」って何なんだろう、とあらためて思ってみました。 「傷つく」ということは「傷つ…
コジコジ第4話「メルヘンの国の悪者達」 コジコジと次郎君の会話 「ブヒブヒたちはそろそろ死んだかなあ まだ生きてるかなあ」 「コジコジ よく平気でそんな事が言えるなァ…」 「なんで?次郎君は死んだかどうか 知りたくないの?」 「だって一応クラスメイ…