ねことんぼプロムナード

タロット占い師のetc

2019-01-01から1年間の記事一覧

テレビドラマとタロットカードから考える「きっぱり断る女性たち」〜「凪(凪のお暇)」「サクラ(同期のサクラ)」「喜美子(スカーレット)」「澪(みをつくし料理帖)」〜

ためらいなく「断る」ことができるでしょうか。 断ることができずになんでも引き受けてしまう、という重宝がられる人、いませんか? 断ったら嫌われるのではないか、といわゆる空気を読みながら誰のための人生なのか分からない日々を送っている人もいるかも…

「G線上のあなたと私」最終話〜いまを生きる〜

3人の友情が続いてよかった。 「G線上のあなたと私」TBS火曜夜10時 波瑠/松下由樹/中川大志 そうか、最後に3人の演奏があったのね。 眞於の結婚披露宴。 そう、眞於先生は、音楽教室のあのマネージャーと結婚することになった。 やっぱり、そうじゃない…

「同期のサクラ」最終話〜力と仲間、どちらが夢を叶えるのか〜

ハッピーエンドだった。 「同期のサクラ」日本テレビ水曜夜10時 主演/高畑充希 脚本/遊川和彦 黒川(椎名桔平)の引き立てで花村建設に戻ったサクラ(高畑充希)。 「自分の主義主張にこだわりすぎて、周りとぶつかって散々痛い目にあってきた、それはなぜ…

「アリとキリギリス」〜労働と仕事と過労と〜

「アリとキリギリス」は、よく知られたイソップ寓話だ。 もともとは「蟻と蝉」。 幼いころ絵本で見たのはもちろんだが、私は、英語の教科書で読んだ記憶がある。読んだだけではなく、暗記させられて、授業中にクラス全員が暗唱させられた。先生から合格がで…

「同期のサクラ」第9話〜そのたった小さなひと言に大きく救われる〜

え?サクラはどこへ行くんだろう。 「同期のサクラ」日本テレビ水曜夜10時 主演/高畑充希 脚本/遊川和彦 意識不明から目覚めたサクラ。 リハビリで体調回復後、就活に励むが、バカ正直に花村建設を辞めた経緯を話すサクラを採用してくれる会社はない。 そ…

「G線上のあなたと私」第9話〜たまった不満と理想的な人々〜

やっぱりたまってたんだね。 「G線上のあなたと私」TBS火曜夜10時 波瑠/松下由樹/中川大志 ものすごく感動したエピソードではない。 刺激を求めている視聴者からすれば、なんとも温い也映子(波瑠)と理人(中川大志)の恋愛関係か、といったところだろう…

「ゲーム障害」〜寝食を忘れる〜ゲームと読書〜悪魔と隠者〜非イクメンとゲーム〜

スティーヴン・キングの本を読んでいたら、止まらなくなった。小説ではない。 「死の舞踏」と「書くことについて」。 流れるような文面で、内容も細やかで表現が巧みだ。訳本なので実際はどうなのか分からないが、おそらく大差はないと感じる。翻訳者は、キ…

「同期のサクラ」第8話〜自分であろうとするときの痛み……〜

心身症と絶望感。 「同期のサクラ」日本テレビ水曜夜10時 主演/高畑充希 脚本/遊川和彦 結局、あれから会社に行けなくなってしまったんだね。 ずっと引きこもっていたサクラ(高畑充希)。 仲間たちの励ましも無益に終わり……。 2019年3月には、サクラのゴ…

「G線上のあなたと私」第8話〜年齢も立場も違う3人のThis Is Us〜

わぁ、もうサンコン、やっちゃったんだ。 「G線上線上のあなたと私」TBS火曜夜10時 波瑠/松下由樹/中川大志 3人のコンサート、最終話でやるのかと思っていたら今話でやった。ここがクライマックスではなかったのか。 ということは、ここから也映子(波瑠…

人文科学は精神(魂)を学ぶ学問〜記述問題は知性が高いと低得点〜

昔、いや、少し前まで、私はこう思っていた。 国語の授業、国語のテストにどれほどの意味があるのだろうか、と。 つまり、よく聞く話がある。 作家が、自分の書いたものが大学入試などに使用されて、その問題を解いてみたところ、全く解けなかった、正解しな…

「G線上のあなたと私」第7話〜必要な時間 無駄な時間 人間愛〜

どうなるんですか、あなたたちは。 「G線上のあなたと私」TBS火曜夜10時 波瑠/松下由樹/中川大志 今話のキーワードのひとつは「時間」。 まずは、幸恵(松下由樹)に「暇な時間」ができてよかった。 義母も娘も、ある意味独り立ちしてくれた。義母も、多く…

あなたはそのままでいい〜プロフェッショナル渡辺万由美〜

2019年11月5日NHK総合 「プロフェッショナル」で 芸能プロダクション「トップコート」の社長、渡辺万由美 を観た。 渡辺?もしかしてナベプロの? そうだった。渡辺晋・美佐の次女だ。 所属タレントは25人。 菅田将暉、松坂桃李、今をときめく中村倫也など、…

「同期のサクラ」第7話〜おとなにならないと夢は叶わないのか?〜

「おとなになる」とは「嘘をつく」ということだ。 「おとなになれよ」という呪文が解ける日は、人類としてシフトアップするときなのかもしれない、とあらためて思う。 「同期のサクラ」日本テレビ水曜夜10時 主演/高畑充希 脚本/遊川和彦 2015年11月。 サ…

「G線上のあなたと私」第6話〜誰もが自分を見てくれている人に弱いと思う〜

なんだなんだこのセリフは。 「G線上のあなたと私」TBS火曜夜10時 波瑠/松下由樹/中川大志 この人、ちょっと前にも、え?ってなセリフを確か言っていた記憶がある。 バイオリン講師の久住眞於(桜井ユキ)。 気丈な女性像的なものを描いているつもりなのか…

「同期のサクラ」第6話〜自分“らしく”生きること〜

自分に嘘をつかないで生きることはできるのか? 「同期のサクラ」日本テレビ水曜夜10時 主演/高畑充希 脚本/遊川和彦 2014年秋。 花村建設本社で、女性活躍推進セミナーのために、ある有名評論家先生を講演に呼ぶことになった。わがままいっぱい理不尽な要…

「G線上のあなたと私」第5話〜幸せなときを感じるとき〜

幸恵がバイオリンに戻ってきた。 「G線上のあなたと私」TBS火曜夜10時 波瑠/松下由樹/中川大志 也映子(波瑠)は、元婚約者である智史(森岡龍)と偶然再会。なんと、也映子と婚約を解消してまで結婚するはずだった女性と別れたと言う。理由は、智史の父親…

「同期のサクラ」第5話〜自分の価値に気づくこと〜

青春ドラマみたいだな、と回を重ねるごとに思えてきた。 が、清々しくてよい。 「同期のサクラ」日本テレビ水曜夜10時 主演/高畑充希 脚本/遊川和彦 今話の主人公は、木島葵(新田真剣佑)。 2013年。社長賞を最年少で受賞(ただし立候補制)。 だが、都市…

「同期のサクラ」第4話〜遅咲きの花だっていいじゃないですか〜

先の記事で、現実世界は嘘と我慢――これが大人と権威なのだが――で成りなっている、ということに触れた。 今話では、「嘘をつけない」サクラの様子が面白く描かれていた。 「同期のサクラ」日本テレビ水曜夜10時 脚本/遊川和彦 主演/高畑充希 冒頭、え?これ…

「G線上のあなたと私」第4話〜打ち込める譲れない大事なものって何ですか?〜

絶対譲れない大切なもの。 自分にはそれがない、と言う也映子。 「G線上のあなたと私」TBS火曜夜10時 波瑠/松下由樹/中川大志 幸恵(松下)が、脳梗塞で倒れた義母の介護のために、バイオリン教室をやめることになった。 もともと12月までのつもりだった理…

「同期のサクラ」~おとなになるって?パワハラと諦念~第1.2.3話〜2019秋ドラマがはじまった~

え~~。主人公がこんな状態から物語がはじまるのぉ~~。 遊川和彦らしいと言えばらしいのだが。 朝ドラ「純と愛」の終盤を思い起こさせる。 「同期のサクラ」日本テレビ水曜夜10時 脚本/遊川和彦 高畑充希/橋本愛/新田真剣佑/竜星涼/岡山天音/相武紗…

「G線上のあなたと私」第1,2,3話~幸恵のエアバイオリンの悲哀に涙する〜2019秋ドラマがはじまった~

波瑠ファンの私は、とにかく波瑠のドラマは観る、と決めている。 「G線上のあなたと私」TBS火曜夜10時 脚本/ 安達奈緒子 原作コミック/いくえみ綾 波瑠/中川大志/松下由樹/桜井ユキ/夏樹陽子/真魚 これはなかなか面白い。 ちょっと問題を抱えた人たち…

死神幸福論⑨〜附記②〜「モンテーニュの書斎」から箴言〜

モンテーニュは、「死」と常に向き合っていた人です。 ミシェル・ド・モンテーニュ 1533年2月28日 ~1592年9月13日 16世紀ルネサンス期のフランスを代表する哲学者。モラリスト、懐疑論者、人文主義者。現実の人間を洞察し人間の生き方を探求して綴り続けた…

栞の身元~ボストンから愛~

この栞、どこから来たんだろう? 先日、なぜか突然、そう思った栞がありました。 日々の生活のなかで長い年月、ずっとこの栞を目にしていました。そこにあることはずっとずっと意識の底にありました。 ところが、何十年たった今、ふっと思ったのです。 「こ…

「生きづらさについて考える」内田樹~長いにものに巻かれない~

私は、率直に言って、嫌われるタイプの人間です。なぜなら、長いものに巻かれないし、主従的関係を忖度してお付き合いしたり、自分の意に反して誰かを持ち上げたりしません。えばっている人にヘコヘコ挨拶したり、医者にお金を渡したりしません。つまるとこ…

「本を読めなくなった人のための読書論」若松英輔~心穏やかになる読書論~

なんと優しいコトバの本だろう。 「本を読めなくなった人のための読書論」 若松英輔/亜紀書房 著者の存在を知ったきっかけを私ははっきりとは覚えていない。おそらくツィッターのなかだったのではないか、と思う。その発信に惹かれてフォローしたのだと思う…

死神幸福論⑧〜附記①〜マルクス・アウレリウス/セネカ/プラトン〜明日に依存して今日を失う〜

「タロット死神幸福論」を再確認させてくれる箴言を少しご紹介します。 マルクス・アウレリウスから。 「自省録」岩波文庫 神谷美恵子訳より 今すぐにも人生を去って行くことのできる者のごとくあらゆることをおこない、話し、考えること。 (第二章11) あ…

死神幸福論⑦~番外編~死を想ってはみたものの~好きなことをするために~

承前) とはいえ1年後に死ぬとしたら今を何をするかと瞑想、自問してみても、あるいは、すでにしがらみからは外れた生活をしていても、条件も環境も本当に整っていても、あれ?何するんだっけ、何したかったんだっけ?とキツネつままれたかのように空虚な感…

「凪のお暇」~依存からの脱却~2019夏ドラマ終~

黒木華ファンとしては、とても楽しめた作品だった。 が、正直なところ最終話にいささかの不満が残る。 「凪のお暇」TBS夜10時 黒木華/高橋一生/中村倫也/市川実日子 これは登場人物たちの「自立」の物語だった。経済的に独り暮らしができる、という自立で…

「監察医 朝顔」〜優しい気持ちを思い出そう~2019夏ドラマ終~

東日本大震災の津波で母が行方不明のままである万木(まき)家の父娘。娘はなかなか乗り越えられない。父は母、つまり妻の遺体をずっと探し続けている。 「監察医 朝顔」フジテレビ月曜夜9時 上野樹里/風間俊介/時任三郎/石田ひかり 法医学者の朝顔(上…

「Heaven?~ご苦楽レストラン~」〜ナンセンスが描く良識~2019夏ドラマ終〜

バカバカしすぎて面白かった。 映像が安っぽすぎるのが残念でならない。シットコムとして観れば単調な画の明るさも気にならないのかもしれないが、セリフのセット内の反響も気になる。良いドラマだけに。 「Heaven?ご苦楽レストラン」TBS火曜夜10時 石原さ…