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「G線上のあなたと私」第1,2,3話~幸恵のエアバイオリンの悲哀に涙する〜2019秋ドラマがはじまった~

波瑠ファンの私は、とにかく波瑠のドラマは観る、と決めている。

 

「G線上のあなたと私」TBS火曜夜10時

脚本/ 安達奈緒子 原作コミック/いくえみ綾

波瑠/中川大志松下由樹桜井ユキ夏樹陽子真魚

 

これはなかなか面白い。

ちょっと問題を抱えた人たちの生活と人間模様。

軽っぽい内容を想像していたが、なんていうのか、言葉にするのが難しいほど、なんとなく心に沁みてくるものがある。

演出、あるいは配役の妙技も相乗効果かもしれない。

 

小暮也映子(こぐれやえこ・波瑠)/北河幸恵(きたがわゆきえ・松下)/加瀬理人(かせりひと・中川)は、三者三様の問題を抱えながら、ショッピングモールのイベント広場でバイオリン演奏に足を止めた、「G線上のアリア」。

そのイベントを主催していた並木楽器の「大人のバイオリン教室」。無料体験に現れた3人は、そのままレッスンの申し込みをする。

也映子は婚約を破棄され、会社も辞めた。理人は大学生。バイオリン教室の先生である久住眞於(くずみまお・桜井)は、理人の兄の元婚約者。理人は眞於に恋をしている。幸恵は裕福な家庭の主婦。無愛想な夫。その夫の浮気。姑との仲は良くない。

 

次第に互いの抱える問題を知り得ていく3人。

それぞれの悩みはそれぞれで深刻なのだが、バイオリンを通した3人の関係性がなかなかゆるくて、なおかつ率直で良い。

はっきりと言い合いながらも、それぞれがそれぞれを励ましていく輪になっている。3人が互いの人生を尊重し合う、そんな空気を感じているのは私だけだろうか。

 

特に、松下由樹演じる主婦・幸恵がいい味を出している。他の2人より年上で人生の先輩であるという立ち位置が、シーンの端々で良好に描かれている。そして彼女はとてもいい人だ。そんな幸恵も、姑からの嫌がらせに涙したとき、理人の言葉に励まされたりする。

第3話では、姑が脳梗塞で倒れて入院。3人で参加するはずだった発表会を欠席することに。幸恵は、ちょうど也映子と理人が舞台で演奏しているであろう時間に、病院の片隅でエアバイオリン。幸せそうだ。その一方で、これから姑の世話にほとんどの時間を取られることになるのかなという不吉な雰囲気が漂わないでもない。

このシーン、涙が出た。幸恵のエアバイオリンを弾く笑顔が美しく、そして妙に悲しい。さんざんイジメられてきた姑の世話を、これからまた嫌味を言われながらしなければならないのであろう幸恵。夫は頼りない。バイオリンはどうなるのだろう。彼女の幸せな時間は、また奪われてしまうのだろうか。

幸恵さんって、「幸せに恵まれる」って書くんですよね。

 

3人の友情がどのように展開していくのか、楽しみだ。

也映子と理人は恋に発展するのか?

私は、3人のかけがえのない友情物語であってほしい、と思う。