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「G線上のあなたと私」第5話〜幸せなときを感じるとき〜

幸恵がバイオリンに戻ってきた。

 

「G線上のあなたと私」TBS火曜夜10時

波瑠/松下由樹中川大志

 

也映子(波瑠)は、元婚約者である智史(森岡龍)と偶然再会。なんと、也映子と婚約を解消してまで結婚するはずだった女性と別れたと言う。理由は、智史の父親が脳梗塞で倒れたことだった。

おいおい、まてまて、父親の面倒をみるのが嫌で逃げ出した女にがっかりして、也映子なら手を貸してくれるのではないかなどと調子のよいことを考えて復縁を求めてくるんじゃないだろうなこの男。でもって、也映子も、もともと好きな男だし、うまいこと言われて誘われたらふらふらっといっちゃうんじゃないだろうな?ああ、いやだいやだそんな展開。と、これまでの恋愛ドラマにありがちな優柔不断で依存症的堂々巡りな女性を妄想しながら観ていたところ、そうならなかった。とりあえず良かった。

也映子は、それなりに自立しているようだ。

 

近頃のドラマでの女性の描き方、昭和時代とは随分変わってきたように感じるのは私だけなのかもしれないが、夏ドラマの「凪のお暇」の凪(黒木華)も、なんだかんだと言って、自立した気持ちを持っていた。いや、依存しないと決め、自分の思うように生きようという強い意志を失うことがなかった。

 

幸恵(松下由樹)が、バイオリンに戻ってくることになった。

脳梗塞の後遺症が残る義母(夏樹陽子)の介護に専念する覚悟を決めて、バイオリンを諦めていた幸恵だった。幸恵の献身的な介護に、幸恵に意地悪だったわがまま義母の心が解けたようで、バイオリンのレッスンに行くことを許してくれたのだった。

幸恵の人生の展開についても、より意地悪ババァと化した義母に疲れ果てた嫁がよろよろになって不幸になって、けれどもそれに耐えるのが女の義務だ的な美談となっていく、と妄想した。それがこれまでによくある嫁姑のドラマだった。

ところが、意外や意外、あれほどわがままだった義母が、けっこうすんなり温厚さを表出させた。

現実の世界では、これほどうまくはいかないだろうな、というのが私の感想。

あの嫌な感じの浮気夫も、カーテンを選ぶときに自分をかばってくれた、と夫の良いところを思い出す。

幸恵の優しさが、良い展開を招いたのだろう。

 

也映子は婚活パーティ10回目でようやく相手が見つかったが、生理的にダメな男性だった。

幸恵と理人(中川大志)とのバイオリンの練習を抜けて、その男性とのデートに向かったことを也映子は悔やんだ。

無駄な時間を過ごしてしまった、と。

3人でバイオリンの時間を過ごすことが、この上なく幸せなことなんだな。そのコントラストが上手に描かれていたと思う。気持ちがよく伝わってきた。

バイオリンを介して3人で過ごす至福の時。

 

コンサートをやろう、ということになったが、さて、最終話へ向けて3人の行く末はどうなっていくのか。

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