「らしさ」の哲学
なんとなく勇気づけられた。 「センスの哲学」 千葉雅也 文藝春秋 著者の芸術論。 世の中では「センスが良い」「センスが悪い」「センスあるね」などと言う。「センスいいね」と言われれば嬉しい。じゃあ、センスとはなんぞや?という問い掛けもあるわけだが…
これを読んで心が休まる…のか? 「人はどう悩むのか」 久坂部羊 講談社現代新書 この本では、ライフステージ(人生のそれぞれの時期)を逆に辿っていく。すなわち、老年期から乳幼児期まで。ライフステージごとの悩みが、これでもかと言わんばかりに書き出さ…
たいへん有意義な本でした。 「武器としての 土着思考」 青木真兵 東洋経済新報社 「土着思考」って何だ? この本のタイトルを見て、なんだかちょっとぎょっとした。 「土着」という言葉に、私はあまり良い印象を持ってこなかったから。なんとなく泥臭さを感…
なんか、ちょっと、すごく良かった。 「下剋上球児」TBS 日曜夜9時 2023年10月〜12月 脚本/奥寺佐渡子 原案/菊地高弘「下剋上球児」 出演/鈴木亮平 黒木華 井川遥 小泉孝太郎 生瀬勝久 小日向文世 松平健 山下美月 明日海りお 他 生徒(球児)たち TBS日…
ものすごいエネルギーだ。 「今日の芸術」(新装版) 岡本太郎 光文社文庫 なんだかすっごいことが書いてある。 ひとことで言えば「芸術は爆発だ!」に尽きる。 1954年に光文社から出版されたものの新装版。先日取り上げた大江健三郎の「同時代論集」もそう…
著者の繊細さに心が安らぐ本。 「編めば編むほどわたしはわたしになっていった」 三國万里子著/新潮社 著者のことを知らなかった。この本にたどり着いた経緯も覚えていない。たぶん誰かがネットで紹介したのだと思う。 著者は編み物作家。だから「編めば編…
カタールでのサッカーワールドカップ。日本はドイツとスペインに勝利してベスト16に入った。が、決勝トーナメントの一戦目でおしくもクロアチアに破れた。 グループEは、日本、ドイツ、スペイン、コスタリカという組み合わせだった。このグループに入った、…
あるテレビ番組を観た。とても偶然な瞬間だった。普段はそんな時間帯にそんな番組を観ない。それは、車夫を目指すある青年のドキュメンタリーだった。研修期間はすでに4ヶ月、卒業検定もすでに8回落ちている。それほど合格しないのは、研修生の間でも最長ク…
「還暦のシンデレラガール」 竹原芳子(どんぐり)著 サンマーク出版 58歳で映画「カメラを止めるな!」に出演。その名前と小柄でスリムな体型に独特のおかっぱ頭が全国に知れ渡った竹原芳子。 2022年5月、カンヌ映画祭の会場にいる竹原の姿を報道で目撃した…
早稲田大学「デジタル時代のマーケティング総合講座」で、吉野家の常務取締役による不適切な発言があった。社会人向けの講座だそうで、3ヶ月半で385,000円。講義時間としては80時間だそうなので、1時間5,000円弱。全体としてはお安くないが、時間単位でみる…
2021年。 すでに risakoyu.hatenablog.com この記事で振り返りましたが、別の視点で振り返っておこうと思いました。 昨年に引き続きコロナパンデミックのなかでの一年でした。この2年の間、季節の移り変わりや年月の経過がうまく体感できていないように思い…
「努力は報われる」に違和感を覚えたことから始まった『「らしさ」の哲学』。 もうひとつここで、ここ数年でとても気にかかっているワードがある。 「優秀な人」「優秀な人材」だ。 そもそも「人材」という極めて資本主義的ワードにも嫌悪するのだが、ここで…
人間には「本来の自分であろうとする力」があり、本来の自分とは別のことをさせられているときには「本来の自分に戻ろうとする力」が働く 、ということをスピノザ哲学から考察してきた。 「らしさ」について、『「らしさ」の哲学(1)〜(6)』を通してあれ…
私はタロット占い師なので、ここでタロットカードから見た「らしさ」について、稚拙ながら書いておきたいと思います。 タロットカードは全部で78枚。大アルカナカード22枚、小アルカナカード56枚。 小アルカナカードは、4組のスートからなっていて、その構成…
「引き寄せたいものを遠ざけるのをやめる方法」についてナオキマンが尋ねると、 本当の自分と合致していない波動にしがみつくのをやめればいいのです。 (「バシャール×ナオキマンショー」P267) とバシャールは答えている。 これは「コナトゥス」のことでは…
ここまで見てきた「らしさ」の二極性。 そしてそこには、その中間点もあるということが分かりました。 「〇〇らしさ」とは ①学者たちが忌避する外側からの圧力、強制、レッテル。 ②周囲の目、世間体を気にしすぎることによる自己喪失。 ③本当の自分 ありのま…
「努力は報われるのか」からはじまって「〇〇らしさ」「自分らしさ」と、ざっくりとではあるが述べてきた。 それぞれについて探究しなければならないことは尽きないが、詳しく掘り下げているといつまでたっても「コナトゥス」にたどり着かないので、今回のテ…
私たちは「らしさ」の強要、強制圧力を受けている、そのような教育を子供のころから受けているらしいということについて、内田樹、永田和宏の著書を参考にして(2)で言及した。 一方でその「らしさ」についての考え方が、どうも私が思ってきたものと違うよ…
『これってスピノザが言うところの「コナトゥス」じゃない?と思った』と(1)の最後に書いた。 「コナトゥスconatus」とはラテン語。スピノザの有名な概念、だそうだ。 あえて日本語に訳せば「努力」となってしまうのですが、これは頑張って何かをするとい…
「努力は必ず報われるんだなっていうふうに思いました」 あるスポーツ選手がそう言った。なんだか違和感を覚えた。その人の背景には様々ある。が、個人がどうのこうのではない。 時代背景なのだと思う。この発言にとてもひっかかってしまった。そして虚しく…