ねことんぼプロムナード

新しいルネサンスの小径

読書エッセイ

「バシャール×ナオキマンショー 望む未来へ舵を切れ!」〜とんでも本かもしれませんが、良質な本です〜

久々のバシャール。面白かった。 「BASHAR×Naokiman Show 望む未来へ舵を切れ!」 ナオキマンショー ダリル・アンカ/VOICE 購入して読もうという気は全くなかったのだが、シンクロニシティが起きて思わず知らず買っていた。 読んでますます驚いた。 この本…

萩尾望都「一度きりの大泉の話」③〜私(たち)をつくっているものの正体〜

②で言及した「竹宮と増山」の増山さん。 「一度きりの大泉の話」 萩尾望都/河出書房新社 増山法恵。竹宮惠子の「変奏曲」シリーズの原作者である。 私が「ヴィレンツ物語」「変奏曲」に感動していた頃には、増山法恵の名前を見たことはなかった。今回のこの…

萩尾望都「一度きりの大泉の話」②〜嫉妬という感情を知らないその純粋さ〜

萩尾が苦しんだ出来事、それは大泉で起きた。 大泉に住んでいた時代のことはほとんど誰にもお話しせず、忘れてというか、封印していました。 しかし今回は、その当時の大泉のことを初めてお話ししようと思います。 と本の帯にある。 「一度きりの大泉の話」 …

萩尾望都「一度きりの大泉の話」①〜夢中になって読んだ〜

私も封印していた(何を封印していたかは③で→)。 「一度きりの大泉の話」萩尾望都/河出書房新社 タイトルを見ただけでは、いったい何について書かれているのか分からない。 この本の発売について全く情報を得ていなかった。もしかしたらどこかで目にしてい…

「ヤマザキマリの世界逍遥録」「行った気になる世界遺産」〜旅エッセイを堪能する〜

今私の手元に2冊の「旅エッセイ」本がある。 「ヤマザキマリの世界逍遥録」KADOKAWA 「行った気になる世界遺産」鈴木亮平/ワニブックス 私はヤマザキマリの大ファンだ。 いつからそうなったのか定かでないのだが、彼女の視点と発信が気に入っていて、気づ…

清水眞砂子「日常を散策するⅠ Ⅱ Ⅲ」④〜ひとり居とわがままのすすめ〜自分でいるために〜ヒーローって?〜

いやなことをいやだと言えない社会は不健全だが、逆にそうできることは珍しいのかもしれない。 日常を散策するⅠ「本の虫ではないのだけれど」 日常を散策するⅡ「不器用な日々」 日常を散策するⅢ「あいまいさを引きうけて」 清水眞砂子/かもがわ出版 学生時…

清水眞砂子「日常を散策するⅠ Ⅱ Ⅲ」③〜ひとり居とわがままのすすめ〜自分でいるために〜

「成長の大部分はひとりでいる時に起こる」 E・L・カニグズバーグ(児童文学作家/アメリカ) 日常を散策するⅠ「本の虫ではないのだけれど」 日常を散策するⅡ「不器用な日々」 日常を散策するⅢ「あいまいさを引きうけて」 清水眞砂子/かもがわ出版 短大在職…

清水眞砂子「日常を散策するⅠ Ⅱ Ⅲ」②〜社会をみつめる〜「手づくりなんてクソくらえ」「夫婦別姓」

清水眞砂子のエッセイを読んでいると、20年前のエッセイなのに、まるで今のことかと錯覚する。 日常を散策するⅠ「本の虫ではないのだけれど」 日常を散策するⅡ「不器用な日々」 日常を散策するⅢ「あいまいさを引きうけて」 清水眞砂子/かもがわ出版 そして…

清水眞砂子「日常を散策するⅠ Ⅱ Ⅲ」①〜ゲド戦記と思い出〜

ある日曜日の早朝。5時半ごろ。 たまたまテレビのチャンネルがEテレに合った。「こころの時代〜宗教・人生〜/己の影を抱きしめて」 ひとりの白髪の女性が話していた。とても興味深い内容だった。そのまま最後まで視聴。 その人は清水眞砂子だった。「ゲド戦…

オードリー・タン「デジタルとAIの未来を語る」〜デジタル民主主義〜誰も置き去りにしない〜

天才の理想像。 本当に宇宙人なのかもしれない。 「デジタルとAIの未来の語る」 オードリー・タン著/プレジデント社 オードリー・タンは、天才プログラマーで、台湾のデジタル担当政務委員。日本では、デジタル大臣という通称とコロナ禍のマスクマップ政策…

『みんなの「わがまま」入門』〜「わがまま」と「おせっかい」〜

社会運動に関する本だが、それだけではない、あらゆる人生、生活の場面に通底することが書いてある。 『みんなの「わがまま」入門』 富永京子著/左右社 富永京子、立命館大学准教授。私が著者の存在を知ったのは、朝の情報番組「モーニングクロス」(東京MX…

変だなと感じていた社会のことの謎が解けた〜「人新世の資本論」「ブルシット・ジョブ」

ずっと変だな、と感じていたことがある。 それが、これらの本を読んで「あ、これだったのか」と合点がいった。 「人新世の資本論」斎藤幸平著 集英社新書 「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の論理」 デヴィッド・グレーバー著 岩波書店 斎藤幸平は…

「毒親と絶縁する」〜親の呪縛を解こう!〜

ついに。 実は私も…… 「毒親と絶縁する」古谷経衡著 集英社新書 2019年3月。古谷さんがツィッターとメルマガで、親から受けた仕打ちと決別について書いていた。 とても興味深かった。なぜなら私自身、実家とは絶縁して久しいからだ。 その後どうなったのかな…

「コロナの時代の僕ら」〜元に戻りたくないことは?〜

新型コロナウイルス感染拡大の今現在、読んでおきたい一冊。 「コロナの時代の僕ら」 パオロ・ジョルダーノ著 飯田亮介訳 早川書房 気が散らなければ、2〜3時間で読み終わる。 図書館も閉まっており、コロナパンデミックが身近になってから、私は実のところ…

「毒親介護」〜占い師の感想〜

こんなドラマのようなことが本当にあるとは… 「毒親介護」 石川結貴/文春新書 介護問題は子育て問題と深い関係があるのだな、と思った。 ひとつは、精神的にも肉体的にも、たったひとりの能力許容範囲を越えている、という意味で。 もうひとつは、毒親とそ…

図書館の貸出評は空想の宝庫〜森有正「バビロンの流れのほとりにて」〜

森有正の「バビロンの流れのほとりにて」「砂漠に向かって」を図書館で借りた。 昭和43年と45年が初版第一刷の書物だ。 森有正の名前には記憶があった。 森有正が翻訳したアランの「わが思索のあと」を持っているからだ。 けれども恥ずかしながら、私はこの…

死神幸福論⑨〜附記②〜「モンテーニュの書斎」から箴言〜

モンテーニュは、「死」と常に向き合っていた人です。 ミシェル・ド・モンテーニュ 1533年2月28日 ~1592年9月13日 16世紀ルネサンス期のフランスを代表する哲学者。モラリスト、懐疑論者、人文主義者。現実の人間を洞察し人間の生き方を探求して綴り続けた…

「生きづらさについて考える」内田樹~長いにものに巻かれない~

私は、率直に言って、嫌われるタイプの人間です。なぜなら、長いものに巻かれないし、主従的関係を忖度してお付き合いしたり、自分の意に反して誰かを持ち上げたりしません。えばっている人にヘコヘコ挨拶したり、医者にお金を渡したりしません。つまるとこ…

「本を読めなくなった人のための読書論」若松英輔~心穏やかになる読書論~

なんと優しいコトバの本だろう。 「本を読めなくなった人のための読書論」 若松英輔/亜紀書房 著者の存在を知ったきっかけを私ははっきりとは覚えていない。おそらくツィッターのなかだったのではないか、と思う。その発信に惹かれてフォローしたのだと思う…

「日本型リア充の研究」古谷経衡~世襲のリア充~知性で対抗~

2年ほど前、「意識高い系の研究(文春新書)」という書物を読んだ。「意識高い系」とは何ぞやと考えていたところだったで、大変勉強になった。著者がラジオで「意識高い系」について喋るというので、しっかりチェックして仕事中に聞いたりもした。仕事とい…

「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」~前線で実際に戦った者で戦争を賛美する者はひとりもいません~

息子が、学校の図書館でこの題名を見たことがあるけど「殺しましたか?」が怖くて読まなかった、と言う。私は、この本の存在を全く知らなかった。 さっそく読んでみた。 「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 アレン・ネルソン/講談社文庫 著者は…

タロットカードNo10「運命の輪」~「そのうちなんとかなるだろう」内田樹③~運命ってわらしべ長者?~

承前) 流れに任せて、ご縁をたどって生きていたら、気づいたら「いるべきところ」にいて、適切な機会を過(あやま)たず「なすべきこと」を果たしている。 (P94) 「そのうちなんとかなるだろう」 内田樹/マガジンハウス この書物を読む前からそうだとは…

「そのうちなんとかなるだろう」内田樹②~ダークサイドは嫉妬から~無意識の阻害~占いはひとりで来たほうがいいよ~

承前) 親が我が子の才能、能力発揮の邪魔をするということはめったにないかもしれませんが、教師や師匠という類いの人々にはそれがあるようです。 それは嫉妬からくるのでしょう。 「そのうちなんとかなるだろう」 内田樹/マガジンハウス 親はめったにそん…

「そのうちなんとかなるだろう」内田樹①~創作/教育/才能~批判否定は百害あって一利なし~

才能はそこに「ある」というより、そこで「生まれる」んです。 (P188) 「そのうちなんとかなるだろう」 内田樹/マガジンハウス 「なんとなく」いや、強烈に引き寄せられて購入。一気に読みました。 内田樹の半生が、子ども時代から小学校、中学校、高校、…

スタンダップコメディアン村本大輔「あの時の悲劇はこの先の喜劇に」~マーベラスな体験談~人はいつ死ぬか分からない~

「感動が新鮮なうちに書く」というのは大事だ。 「あの時の悲劇はこの先の喜劇に」 noteへの村本大輔の投稿。 すばらしい。 この内容だけで小さなドラマが撮れそうだ。 夢中になると便秘になるのだな。 早朝5時ごろこの投稿に読みふけっていたら、トイレへ行…

年金より貯蓄と投資?~「父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない」橋本治~

老後の生活費用に2000万円貯めておけ、という金融庁からの提示がありました。 え? 年金だけじゃ生活していけないだろう、とご心配してくださっているようです。 え? 税金取り放題で、年金の受け取り額を減らし、受け取ることのできる年齢をどんどん引き上…

「国境のない生き方」ヤマザキマリ~自由はどこから来るのか?~

ヤマザキマリのエッセイが面白い。いや、ただ面白いだけではない。為になる。14歳から始まった海外放浪生活。放浪と言っては失礼かもしれないが、イタリアでの過酷な修行時代(?)のくだりを読むと、私の心には放浪という言葉が思い浮かんでくる。ヤマザキ…

日本人はかわいい女性がお好き?~ヤマザキマリ「男性論」第5章参照②~

「やすらぎの刻~道」というドラマがある。 テレビ朝日の昼帯ドラマだ。2017年に放送された「やすらぎの郷」の続編で、2019年は4月から1年間の放送となった。引退した芸能関係者が晩年を過ごすホームでの物語。物語の面白さもさることながら、社会派であると…

日本は幼稚なのか?~ヤマザキマリ「男性論」第5章参照①~

2019年春ドラマがはじまる季節となった。私はドラマフリークを自称し、「ドラマカデミア」なるサイトまで立ち上げてドラマ評を書いてきた。 が、繰り返し書いて本当に本当に申し訳ないのだが、昨年後半あたりから、日本のドラマを楽しむことがほとんどまった…

「民主主義の死に方」~独裁から民主主義を護る方法~アメリカの映画文化~

「民主主義の死に方」 スティーブン・レビツキー/ダニエル・ジブラット 新潮社 昔々、知り合って間もない私の友人がこう言った。悪霊について書かれた本を読んで「これ私のことだって思ったんだよね」と。 信じるか信じないかはあなた次第ですの話になって…