ねことんぼプロムナード

新しいルネサンスの小径

読書エッセイ

「民主主義の死に方」~独裁から民主主義を護る方法~アメリカの映画文化~

「民主主義の死に方」 スティーブン・レビツキー/ダニエル・ジブラット 新潮社 昔々、知り合って間もない私の友人がこう言った。悪霊について書かれた本を読んで「これ私のことだって思ったんだよね」と。 信じるか信じないかはあなた次第ですの話になって…

死に支度をはじめた私~「ヨーコさんの言葉“2008年冬”」~死神が教えてくれること「死神幸福論」~

「ヨーコさんの“言葉” わけがわからん」 佐野洋子×北村裕花 講談社 のなかに「2008年冬」というエッセイがある。 私が「ヨーコさんの言葉」にたどり着いた経緯は、別の記事に書いた(私が「ヨーコさんの言葉」にたどり着いた道のり~早朝にEテレの語学番組を…

「ホモ・デウス」(上)~次に人類は神さまになる?~人間至上主義と神性~

「神になる」とはどういうことなのか? 人類は「飢饉、疫病、戦争」をコントロールできるようになった。現代はこれら3つの要因よりも「肥満、老化、自殺」で死ぬ人間のほうが多い。 となると、人類が次に求めるものは?「不死、幸福、神性」だと著者は言う…

「日本の同時代小説」斎藤美奈子②~TVドラマ「大恋愛」のなかに登場する作家・間宮真司における純文学(私小説)を考える~

先の記事【「日本の同時代小説」斎藤美奈子①】で、純文学という名の私小説の極めて日本的な鬱屈について書きました。 奇しくも2018年秋シーズンテレビドラマに「私小説/純文学作家」が登場していました。 「大恋愛~僕を忘れる君と~」TBS(2018年9月~1…

「日本の同時代小説」斎藤美奈子①~純文学という名の私小説的DNA~

私はいわゆる日本の「純文学」なるものが好きではない。ものすごく素晴らしいもののように日本文学史で学習するけれど、それは「私小説」ってやつでそしてとてもネガティブだ、とずっと思ってきました。 「日本の同時代小説」 斎藤美奈子著/岩波新書 を読ん…

「ナナメの夕暮れ」若林正恭~冷笑者と理解者~

「ナナメの夕暮れ」 若林正恭著 文藝春秋 「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」(KADOKAWA)について書いたとき、はたして著者は、お笑い芸人としてかなり成功してそしてどう変化したのだろう、という疑問の余地を残しておきました。「表参道のセレ…

「失業しても幸せでいられる国」~労働礼賛・人権無視の国は社会保障という安心と幸福のある国にはなれないと思った~

「失業しても幸せでいられる国 フランスが教えてくれること」 都留民子著 日本機関紙出版センター 「誰もが幸せになる 1日3時間しか働かない国」の記事でも書きましたが、 この本を読むと、日本という国は不幸な国だとしか言いようがありません。 この本の…

「1日3時間しか働かない国」~理想郷が語り継がれる意味~楽園追放の呪縛~

「誰もが幸せになる 1日3時間しか働かない国」 シルヴァーノ・アゴスティ著 マガジンハウス 小説です。 ルネサンス時代、トーマス・モアの「ユートピア」という小説がありましたが、これは社会批判の目的で書かれた色合いが濃く、のちにモアは処刑されます…

「いま 世界の哲学者が 考えていること」~哲学(者)とは?~宗教は復活する?~

「いま 世界の哲学者が 考えていること」 岡本雄一朗著/ダイヤモンド社 という本があります。 この本では、古代から哲学がになってきたこと、そして現在の世界はどのような思想的状態にあるのかを、主要な思想家とその思想を紹介しながら示しています。 「…

「表参道のレセブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」若林正恭~飼い犬と野良犬のサルサ~つくられた価値観と自由~

「表参道のレセブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」 若林正恭/KADOKAWA 第3回斎藤茂太賞受賞 新しい旅文学の誕生を感じた。 と、帯にあります。審査員の椎名誠の推薦文です。 私もまったく同じ感想を持ちました。「ruta1」を読んだあと、いいあなぁこのエッセ…

「友だち幻想」~みんなとなんか仲良くできません~友だちという呪縛~同質性からの脱却~

「友だち幻想」 菅野仁/ちくまプリマー新書 ここで言う「幻想」とはすなわち「世間的に言われている常識」のことです。 この本の帯には 「みんな仲良く」という重圧に苦しんでいる人へ。 と書いてあります。 著者は言います。「みんなと仲良くなどできるな…

宮部みゆき「三島屋変調百物語六之続」~連載小説を読むことになりました~

宮部みゆき作 「三島屋変調百物語六之続」 「黒武御神火御殿(くろたけごじんかごてん)」 「連載小説」というのが私は苦手だ。ましてや「新聞小説」などは読んだことがない。いや、本になれば読む。 昔々のことだが、ある友人も同じことを言っていた。気が…