「運命論」の哲学
なんとなく勇気づけられた。 「センスの哲学」 千葉雅也 文藝春秋 著者の芸術論。 世の中では「センスが良い」「センスが悪い」「センスあるね」などと言う。「センスいいね」と言われれば嬉しい。じゃあ、センスとはなんぞや?という問い掛けもあるわけだが…
なんか、ちょっと、すごく良かった。 「下剋上球児」TBS 日曜夜9時 2023年10月〜12月 脚本/奥寺佐渡子 原案/菊地高弘「下剋上球児」 出演/鈴木亮平 黒木華 井川遥 小泉孝太郎 生瀬勝久 小日向文世 松平健 山下美月 明日海りお 他 生徒(球児)たち TBS日…
旅エッセイはやっぱりいいなぁ。 「扉の向う側」 ヤマザキマリ マガジンハウス 雑誌「ku:nel (クウネル)」連載のエッセイの書籍化。 私は旅エッセイが好きだ。読んでいてなんとなく行った気になれるし、普段の生活環境とは違う独特の雰囲気と香りが漂ってく…
あ、それはgoodな方法だな、と思った。 「物語は人生を救うのか」 千野帽子著 ちくまプリマー新書 これは「人はなぜ物語を求めるのか」の続編だ。 私たちは、常にストーリーを組み立てて生きている、という。 それは良いときもあるし、悪いときもある。 確か…
精神科医の香山リカのコラムを読んで、なるほど、と考えてしまった。 数年前のこと。不幸な出来事が続いてうつ状態になった男性が香山の診察室にやって来た。「どうしてこんなことになったのでしょう。何も悪いことはしていないのに」とその患者は問いかけて…
もうほんとうに私は、トーマス・マンの「ベニスに死す」をこうしてこのときに再読することになろうとは、思ってもみなかった。 思ってもみなかったことは、歳を取ってくるとしばしば起こるようになる。すなわち、人生の回収のためのような機会に突如として、…
「美人薄命」 容姿が美しく生まれついた人は、とかく幸せ薄かったり、短命であったりすること。 (コトバンク) 「ミッドサマー」にビョルン・アンドレセンが出演した、という情報が入ってきたとき「あの人、生きてたんだ」と失礼ながら私は思った。 あんな…
スポーツ選手というのは、勝負師だ。 卓球の水谷隼が、あちこちのテレビで話しているのを見ていると、この人ほんとに勝負師なんだな、と感じることがしばしばある。しかもじゃんけんに強いという。相手が何を出すかだいたい予想できるというのだ。あるテレビ…
「運命」というものがあって私たちの人生の全てが決まっているとしたら……ならば、私たちが日々為(成す)ことは無意味なんだろうかという疑問が、おそらく大多数の人々の心に湧くだろう。 これは何という言葉で表現したらよいのか。―2023WBC(ワールド・ベー…
この回はたいへん意義深い物語だった。 「Get Ready!」日曜夜9時TBS 第4話 出演/妻夫木聡 藤原竜也 松下奈緒 ゲスト/美村里江 天才彫刻家の古賀洋子(美村里江)は、脳腫瘍を患っている。大学病院では、腫瘍摘出は不可能で余命は半年と告げられる。 仮面ド…
カタールでのサッカーワールドカップ。日本はドイツとスペインに勝利してベスト16に入った。が、決勝トーナメントの一戦目でおしくもクロアチアに破れた。 グループEは、日本、ドイツ、スペイン、コスタリカという組み合わせだった。このグループに入った、…
あるテレビ番組を観た。とても偶然な瞬間だった。普段はそんな時間帯にそんな番組を観ない。それは、車夫を目指すある青年のドキュメンタリーだった。研修期間はすでに4ヶ月、卒業検定もすでに8回落ちている。それほど合格しないのは、研修生の間でも最長ク…
『世界は「使われなかった人生」であふれてる』 沢木耕太郎著/暮しの手帖 私が思うところの「ありえたかもしれない人生」が分かりやすく描かれていた直近(2022年2月現在)の日本のドラマは、「天国と地獄〜サイコな2人〜」ではないだろうか。TBS「日曜劇…
『世界は「使われなかった人生」であふれてる』 沢木耕太郎著/暮しの手帖社 ①では、この書物の冒頭部分を引用しながら、「使われなかった人生」「ありえたかもしれない人生」についてあれこれ考えてみた。 そもそも私は、この本を読んで期待外れ感を否めな…
『世界は「使われなかった人生」であふれてる』 沢木耕太郎著/暮しの手帖社 これは「暮しの手帖」に連載中の映画評論から三十編を選び、前後に映画にまつわるエッセイを配して一冊にしたものである。 (「あとがき」P285) 人生についての考察や、著者の本…