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M!LK② M!LKファンになった私のパンとサーカス〜夢中になりすぎて滅!〜「売れる」「国民的アイドル」ってそういうことなんですね

「M!LK①」のつづき

 

 ヤバい!これはヤバい。

 気づいたらM!LKばっかり観ていて、ニュースが分からなくなっていた。

 え?こんなこと起きてたの?こんな事件あったの?……ふと我にかえった。そういえばニュース見てなかったな。

 これって「パンとサーカス」じゃん。私が「パンとサーカス」の意味を身をもって知った瞬間だった。

 

「パンとサーカス」

詩人ユウェナリス(西暦60年 - 130年)が古代ローマ社会の世相を批判して詩篇中で使用した表現。権力者から無償で与えられる「パン(=食糧)」と「サーカス(=娯楽)」によってローマ市民が満足して政治的無関心になっていることを指摘した。

物質主義の例えとしてしばしば用いられる名言であり警句である。

現在では愚民政策の比喩として用いられることもある。

パンと見世物とも表記される。

(Wikipedia)

 

「熱狂」という言葉がある。

 実はこれ、「君の好きは無敵」(TBS2026年7〜9月)の感想(今後アップします)にも書いているのだが(けっこう手厳しい批評になってます)、こちらでも触れておく。

 

「熱狂」は、タロットカードで言うと「No15 悪魔」のカードが持つエネルギーのひとつだ。

「好き」になることは良いことだ。「好き」なものがあることは良いことだ。「好き」なことをすることはとても大事だ。「君の好きは無敵」でもさんざん言われている。

 

 人は、嫌いなこと、苦手なことを我慢してやっている、やらされていることが多々ある。この世で生活し、生きていかなければならない(お金を稼がなければならない)から。

 好きなことをして暮らせるはずはない、みんな我慢して生きているんだ、と、それが正しい生き方だとさえ言われる。

 ほとんどの日本人がそう言われて育ってきたと思います。たとえばヤマザキマリは、担任の先生から、画家になることを諦めたほうがいいと言われたそうです。画家では食べていけないから。

 そういう意味では、M!LKだってそうだ。ここまで登ってこられる人は地球人のなかでもほんの一握りと言っていい。同様に、画家として成功する人は数えるほどしかいないだろう。それは分かる。分かるのだが、人間、それでいいのか?

 それは間違っている、と私は、繰り返しお伝えしてきた。

 

 ゆえに、「M!LK①」で書いたように、「イイじゃん」「アイドルパワー」の歌詞がgreatなのだ。

「夢追ってイイじゃん/信じてイイじゃん/らしくってイイじゃん」

「自分の意思を大切に/君が好きなもの好きでいて/「好き」って素晴らしい」

 

 けれども「夢中」から「熱狂」へと進んでいくと、人の心は「束縛」されていく。

 これがよろしくない。

 私は今回の実体験を経て唖然とした。「パンとサーカス」の意味が、今さらですが、ほんとうによく分かりました。

 ニュースも知らず、時間や曜日感覚すら明瞭さを欠いて、しなければいけないことを忘れそうになることも…。そして、読むべき本は溜まっていく。9月10月はお気に入りの学者や随筆家たちの新刊が目白押しで、すでに何冊も購入済みだし、これからもまだまだ新刊本が出る。すごく楽しみな読書の秋、のはずだったのに。

 こんなことでいいのかぁ!

 

 M!LKはヤバい。過去何年分もの動画がつぎつぎ現れるから、ついつい見てしまう。

 テレビ番組も、あちらこちらに出演しており(テレビ局では視聴率が取れるから出したいのだろうね)、この秋からは、メンバー出演のドラマが3本も放送されている。

 バラエティ番組では、がっつり出演しているものもあるが、ワイプがほとんどで十分に出演者の声が聞けないような番組もある。そんなのを2時間も3時間も見ていられないのだが…。もちろんなかには、番組自体がよく出来ていて、M!LKメンバーもさることながら、内容を楽しめるものもある、が、そういった番組は少ないので、途中で見るのが苦痛になって、ちゃんとした冠番組だけを見たぁ〜いと思ったりする。

 

 ヤマザキマリと稲垣えみ子が好きすぎて、話が聞きたくて、出演するテレビやラジオ、出版本、ネット記事をひたすら追いかけていた時期もあったけど…。

 ちなみに、稲垣えみ子は「楽しく学ぶ!世界動画ニュース」(2022〜25年テレビ朝日レギュラー放送は終了)にコメンテーターとして出演していたが、ほとんどがワイプ。たまに意見や感想を述べるのだが、稲垣のテレビ出演は他にほとんどないので、しっかり貴重なシーンを見ていた。番組内容も面白かったし、稲垣のコメントが時々シビアでよかった。現在は「ラジオ深夜便」(NHK)に隔月で登場です。

 

 あと、今追いかけているのは、斎藤幸平。でも、最近は、動画配信でもあちこちに出ていて、全部をチェックすることが難しい。それにYoutubeの番組って、長いんですよねぇ。せめて報道ニュース番組のコメンテーター出演のときは、必ず見るようにしている。難を言えば、これから〇〇に出ます、という発信がいつも直前なので、見逃すことがある。NHKラジオのコーナーゲスト解説は、聞き逃し配信で聞く。

 いずれにせよ、M!LKほどの量はない。いや、人数そろえば、けっこうあるか。

 そうです。ゆえに、これまでの「推し」?にM!LKが加わったことで、自分に呆れるばかりな日々の状態なのである。

 

 そうそう、吉田仁人が若林正恭の小説「青天」の帯に推薦文を寄せているが、その若林と國分功一郎との対談本がこの(2026年)9月に出版された(M!LKのおかげで?なかなか読めていなかったが、先日やっと集中できた)。もともと若林は國分と交流がある。若林は「暇と退屈の倫理学」の文庫版に「國分先生、まさか哲学書で涙するとは思いませんでした…」という帯文を寄せている。

 私は、若林のエッセイ「ナナメの夕暮れ」「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」が大好き。良書だと思う(もちろん好き嫌いはあるでしょう)。

 國分先生と若林の対談本「帷の向こう」の帯にこうある。

ずっと夕日を眺めていてもいい

そんな社会はどうしたらやってくるのだろう

とことん語り合った現代の息苦しさの正体

 焚き火を囲んで、M!LKの5人がこれからのことなどを語り合っている動画がある。3年くらい前のもの?だろうか。まだ人気が爆裂する前だ。

 こういう雰囲気、いい。

 だからって何?かもしれないが、吉田は、若林のエッセイも読んでいるのかな、とふと思いを馳せる。ぜひ読んでほしい。できれば、國分先生とも語り合ってくれたらなぁ。ラジオゲストとかはどうだろう。文化放送だからだめかな。

 「暇と退屈の倫理学」は、けっこう芸能人たちも読んでいます。

 

 自分が好きなこと得意なこと、自分に合っていることを人はすべきだ、というのは、スピノザも言っていることで、國分功一郎はスピノザの研究者。私も、國分の研究によって、スピノザの「コナトゥス」を知った。

「コナトゥス」とは、ものすごく簡単に言うと「自分の存在を保とうとする力」のこと。人は自分が持っているパワーと違うことをしようとしても、させられても、もとに戻ろうとする力が働く。

 ゆえに、「好き」という気持ちは大事なのです。

 

 あれこれ書いてきましたが、…そういうことなのです。

 「好き」が「好きすぎ」になって「夢中」「熱狂」へと突き進んでいくと、そこにはあまりよろしくない世界が待っている。

「熱狂」状態にあると、人は操作や洗脳に無防備になる。

 政治家や権力者たちは、それをよく知っている。古代から。

 ゆえに、タイトルに「パンとサーカス」と書いた。 

権力者から無償で与えられる「パン(=食糧)」と「サーカス(=娯楽)」によってローマ市民が満足して政治的無関心になっていることを指摘した。

 

 私は記事冒頭でこう書いた。

ヤバい!これはヤバい。

気づいたらM!LKばっかり観ていて、ニュースが分からなくなっていた。

え?こんなこと起きてたの?こんな事件あったの?……ふと我にかえった。そういえばニュース見てなかったな。

 ユウェナリスの言葉をもじれば、「M!LKによって世間に無関心になっていた」。

 M!LKは、パンではないので、サーカス、見世物、娯楽である。この「サーカス」は、古代ローマでは、いわゆるスポーツ観戦、剣闘士の試合などだった。今でももちろんスポーツそのものを意味するし、エンターテイメントもそのなかに入るかな、と思う。

 

 でも、スポーツやエンターテイメントに助けられることも多々ある。

 コロナ禍では、大谷の活躍に助けられた人はかなりいるのでは?私もそのひとりだ。毎朝、エンゼルスの試合を見るが楽しみだった。

 歌や芝居、ドラマや映画に勇気づけられたり、慰められたりして、生きていく力を得た人だって少なくないはず。

 

 ただしやはり、自分を見失わないようにすることは大事だ。「熱狂」には「悪魔の囁き」がつきものでもあることを覚えておこう。

 

 M!LKのファンでなくなる日がいつかやって来るのかどうか分からないけれど、それまではテレビやネットで彼らの活躍を楽しもう。コンサートやイベントに足を運んだりすることはないけれど、室内で応援します。

 なので私は、M!LK(メンバー各々)出演の番組を録画して、彼らが出ているところだけを見る(バラエティ)という邪道を選択している(実は、それでもヤバいのです。だって、他にも見たい番組やドラマや映画があるので。そして読書。そして書き物…などなど)。

 

 好きすぎて、ほんとうに「滅」にならないように。

 

 それから、もうひとつ。

「M!LK①」でも言及したドラマ「君の好きは無敵」のなかで、大三島社長(本郷奏多)が吐露したセリフ。あれが私にもある。

オレは、おまえらみたいに好きに狂った「好きクレイジー」が心底大嫌いなんだよ。

いつだって、自分たちが正解みたいな顔しやがって。

 大三島は「周囲の高レベルの熱狂が、低レベルの自分の“好き”の口を封じる」というようなことも言っていた。

 私もときどき体験するのは、自分の周囲が熱狂しているのを見ると「冷めてしまう」、という悲しい気分だ(天邪鬼なのかもしれない)。むしろ、ブレーキになっていいのかもしれないが。

 自分なりに「好き」でいること、そしてそれを較べられたり、否定されたりしない「好きの世界」を望む。

 

 加えてこの度、「売れる」ってどういうことなのか、はじめて分かりました。

 スターダストレーベルのインディーズ活動を経て、M!LKがメジャーデビューしたのが2021年。「イイじゃん」が表にでてきたのが2025年、「好きすぎて滅!」と続く。

 Youtubeチャンネル「みのミュージック」を開設しているミュージシャンで音楽評論家の「みの(ミノタウロス)」の解説によると、M!LKは、インディーズのころからオリコンチャートの上位には入ってくるが、それは、一定のファンがいるからで、その順位は留まることも増えることもなく、あっという間に消えていく、ということだ。

 なるほど、内輪と言っては何だが、10万なら10万の固定ファンがいれば、CDや配信はそれなりに売れるし、イベントやコンサート会場もいっぱいになる。けれども、そこまで。グッズ販売もあるだろうし、ファンクラブの会費収入もあるから、それはそれで食べていけるのかもしれない。そういった活動をしているアーティストはたくさんいるのだろう。

 そして「イイじゃん」以降、ランキングも、動画再生数も、破格の数値となっていく。どうやらそれが、「売れる」ということのようだ。すなわち、「アイドル」から「国民的アイドル」になるわけだ。

「国民的アイドル」って、そういう意味だったのですね。勉強になります。ファンクラブの人たち(み!るきーず)だけではなく、私のようなごく一般的なファンも含めて、M!LKのファンとなっていく。「全国区」で大勢の人が知っているアイドル。

 そこではじめて、楽曲は一定期間、ランキングに留まる。

 ちなみに、私がM!LKを「全国区」だと感じた瞬間は、ニュースの街頭インタビューでした。小学生の女の子に暑さの感想を尋ねたところ、「暑すぎて滅」と応答した、そのときです。

 

 人生の最後に、M!LKが出てきてくれてよかった。SMAPがあんなことになってしまったから、よけいにそう思う。ありがとう。

 そして、最後は、SMAPのようではなく、嵐のような終わり方であってほしい。もちろん、ローリング・ストーンズやクイーンのように、生涯グループが存続していくこともあるかもしれないが…。そのころ地球がどうなっているか分からないけれど……。

 

 最後に。

「好き」になることについて。

 臨床心理学者(臨床心理士・公認心理師)の東畑開人が次のように言っている。

好きになることと嫌いになることは、異なる種類の心の動きのように思う。

(「X」2026年10月10日)」

「嫌い」には原因結果がある。たとえば、何か嫌なことをされたからその人が嫌いになる、など。

 だが、「好き」には因果関係がない。

趣味にせよ、人間にせよ、好きになることは因果関係なく突如発生するしかない。なぜ好きなのかは根本的には説明不可能である。

(同上)

 ほんとうに一瞬にしてやって来たり、なんかわからないけどいつの間にか夢中になっていたり……。

 そんな「好き」を表現しようとした「君の好きは無敵」だったのだと思うのだが…(のちに記事をアップします)。

 私もそう思っていたが、「因果関係なく突如発生するしかない」「説明不可能」と学者から言われてしまうと、非常に納得。「しかない」のですから。

 こういった現象でいつも思い出すのが、寺尾聰の「ルビーの指環」。若い人たちには分からないかもしれないが、あの曲って、ほんとうに突然ふっと入り込んできて、日本中を席巻した。私もそうだった。音楽的にも素晴らしいテクニックだと聞いたことがあるが、それはさておいても、え?何この歌?と突然ぐぐっと人々の意識に入り込んできた、という記憶がある。そして、街中に流れていた。

 今年(2026年)M!LKに魅了された人たちは、まさに「これ」なのかもしれない。

M!LK (ツトムスタイル) ©2026kinirobotti

目まぐるしい日々を送っておられるM!LK

若いとはいえ、心身ともにご自愛くださいませ

 

 

 

✿✿✿

ツトムとは?

癒し系ドラム缶型ロボットです

©2026kinirobotti

 

 

追記

 老婆心的箴言をM!LKとみ!るきーずに。

「君の好きは無敵」第7話より、瀬尾(佐野勇斗)の祖母・門戸(白石加代子)が言い放ったセリフ。

(略)やっとこの世界の入口に立っただけ。ここから何十年とつづく、イバラの道の入口にね。

邪魔してくる人、利用しようとする人、誹謗中傷してくる人もいる。

かわいいの周りにはね、かわいくない魑魅魍魎が蠢いてるのよ。

魑魅魍魎もイバラの道も、「好き」っていう気持ちがあれば、乗り越えて来れた。「好き」が私を強くしてくれた。

 スターの周りには、それにあやかろうとする人、金儲けをしようとする人たちがわんさか寄ってくる、たかって来る。

「邪魔してくる人、利用しようとする人、誹謗中傷してくる人」の他にも、「籠絡のやから」が必ずいる。

 スキャンダルさがしをする週刊誌や、だまくらかしてグループを分断させようとする人もいるだろう。あるいはSNSで、人格攻撃や名誉毀損的なことを発信したり、言ってくる人もいるだろう(大抵は嫉妬心)。

 私は芸能界のことはよく分からないが、それでも、ここまでやってきたM!LKの正直な活動を、これからも続けてほしい。

 

 政治と同じで、芸能界と正直なんて水と油なのかもしれない。

 けれども、「この素晴らしき世界(フジテレビ 2023年7〜9月」)で描かれたような、芸能界や社会の理想を生きていく人たちがいてもいいのでは、と思う。

 

 そして気づいたら、世界が改革されていた、ということが……