ねことんぼプロムナード

タロット占い師のetc

2020-01-01から1年間の記事一覧

「幸福なラザロ」〜ファンタジーとリアルの狭間に聖人は現れる〜

な、なんだ、この映画は。 ファンタジーだけでは片付かない。 「幸福なラザロ」イタリア映画2018年 主演/アドリアーノ・タルディオーロ 監督/アリーチェ・ロルヴァケル これはいったいいつの時代の話だ?などと思いながら観続けていると、後半はガラッと世…

「美食探偵 明智五郎」2020春ドラマ〜ウイルス感染拡大で新ドラマが無い〜

2020春ドラマの新作がほとんどないなか、 このドラマは面白い。 「美食探偵 明智五郎」日本テレビ日曜夜10時30分 出演/中村倫也 小芝風花 ハリウッドも撮影が全てストップしていると、映画評論家の町山智浩が言っていたが、日本も同様。 撮影が済んでいた1…

新型コロナウイルスという一撃〜タロットカードNo16「塔」〜aha moment〜

タロットカード「塔」。 塔は稲妻に打たれている。 その塔からは誰かが墜落している。 このカードを眺めるとき私はいつも、この人は塔から転落しながら、何を見て、何を考えているのだろう、と想像していました。 この人が住まわっていた塔は、ゼウスの雷の…

「コロナの時代の僕ら」〜元に戻りたくないことは?〜

新型コロナウイルス感染拡大の今現在、読んでおきたい一冊。 「コロナの時代の僕ら」 パオロ・ジョルダーノ著 飯田亮介訳 早川書房 気が散らなければ、2〜3時間で読み終わる。 図書館も閉まっており、コロナパンデミックが身近になってから、私は実のところ…

占い師が占いの仕事を疑うとき〜現在 過去 未来〜

新型コロナウイルス感染拡大という災厄が起きてから、私自身、筆が覚束ない。 経験したことのない出来事。生活。 目まぐるしく変化する報道に追いつこうとする日々。 昨年は、アニメ会社放火事件、無差別殺人やそこから憂慮した父親による息子殺し事件など、…

タロットカードからみるコロナ禍②~コロナウイルスが見せてくれる本当に大切なこと~エッセンシャルワーク〜

タロットカードNo20「審判」は「人生にとって本当に大切なことは何ですか」と問いかけてくる。 新型コロナウイルス禍も、それを問いかけてくる、どころか、見せつけてくるかのようだ。 食品スーパーの主要3団体は14日、新型コロナウイルス感染拡大を受け、店…

タロットカードからみるコロナ禍~本当のストレスは何か~「ワンド10」「ソード8」~

何がストレスかといって…… 外出制限のストレス、家に子供がいるストレス。その子どもたちは学校へ行けないストレス、外で遊べないストレス。 マスクやトイレットペーパーなど、いつもなら手元に無くなったときに買いに行けばあるものがいつものようにいつも…

「スカーレット」終〜実は女性人権が描かれていた〜自由は不自由〜

ハリウッド映画だったら…… 「スカーレット」NHK朝ドラ2019年10月〜2020年3月 主演/戸田恵梨香 言ってみれば、男尊女卑と父権制のなかで、自分のやりたいことを貫き通したひとりの女性の姿が描かれていた。 とはいえ、喜美子(戸田恵梨香)も妹の百合子(福…

「テセウスの船」終〜黒幕はこの人なのか?〜音臼村の人々でファミリードラマを〜

最終話。 すべて回収されたか? 「テセウスの船」TBS日曜夜9時 鈴木亮平/竹内涼真/榮倉奈々/麻生祐未/貫地谷しほり 他 タイムトラベルもののサスペンス。 2020冬ドラマが始まった時点で、このドラマが一番面白いとこちらに書いた。 面白かった。犯人は…

コロナ危機〜商品券で家賃は払えない〜社会や人の本性が見えてくる〜変革のチャンス〜マルクス・ガブリエル トマ・ピケティ メルケル首相〜

コロナウイルスパンデミックが起きてからの日本の様子はおかしすぎる。他国の様子と比べると不明瞭で稚拙に見える。 哲学者マルクス・ガブリエルが意見を発信している。 簡単に抜粋する。 コロナ危機。 世界秩序は揺らいでいます。全ヨーロッパの緊急事態と…

「〇〇になれますか?」と尋ねて「絶対になれません」と占い師に言われたら

書評家で詩人の若松英輔がこのようにツィートしていた。 学生時代に一度だけ、占い師にみてもらったことがある。「もの書きになれますか」と尋ねると「それはありません。気配もありません」と即答された。今でも時折、名前も顔も覚えていないこの占い師を思…

生活費が……→ベーシックインカム→資本主義の終焉→お金のないスタートレックの世界へ

ツトム スポック @kinirobotti 新型コロナウイルス流行への総理大臣からの要請によって行動が制限されているので、市民は必然的に収入がなくなり、仕事もなくなる。経営者は給料が払えないので従業員を解雇する。会社は倒産する。 消費が冷え込んでしまうの…

いつまでトイレットペーパーがないんだ→水に流せるティッシュペーパー〜いい人たちは先に死ぬ〜

トイレットペーパーの買い占めは欧米でも起きているが、にしても、いつになったら普通に買えるの?日本には今までどおり普通にあるのに。 生協でも抽選になった、と先日書いたが、 抽選どころか、 「予測を大幅に上回るご注文をいただいたため、本日分につき…

ひとりぼっちの新幹線〜適度な空間がいいな〜

新幹線はガラ空きだった。 街なかも人はぐんと少ないのだろうと思うが、それでも結構いる。みんなじっと籠もって、ゴーストタウンのようになっているわけではない。 マスクが売られていないのが困る。 さすがに手持ちがなくなって買えない人が増えてきたのか…

続・ウイルスより怖い人間〜買い占めの悲しい思い出〜

トイレットペーパー買い占めパニックにつながるツィートを流したという人物が特定されて、所属する組織から謝罪が発信された。 我が家では、生協で毎週1パック、トイレットペーパーを注文しているのだが、それがなんと「抽選」になってしまった。 謝罪され…

ウイルスより怖い人間〜デマによる買い占めに思うこと〜

こういうときに怖いのは、ウイルスよりも人間だ。 トイレットペーパーはほぼほぼ100%近く日本で生産しているので、なくなることはない(別の事情ではなくなる)。 この事実を知っていれば、急な買い溜め、買い占めのために地獄絵図をつくる一員にならず、今…

枝野幸男の国会質疑〜検事 裁判官 弁護士とは〜

枝野幸男の発言に、久しぶりにユマニスム(人文/ヒューマニズム)を感じた。 黒川検事長の違法的定年延長決定の口頭決裁なる怪言動について、法務大臣である森まさこへの国会質疑中(2020年2月26日)。枝野は森へ、次のような発言をした(正確な文言ではあ…

「心の傷を癒やすということ」〜ひとりぼっちのいない尊厳ある社会〜

「いい人は早死」「憎まれっ子世にはばかる」とはよく言ったもので、この物語の主人公である安克昌は、2000年12月に39歳で亡くなっている。 「心の傷を癒やすということ」 NHKドラマ2020年冬期全4話 主演/柄本佑 実話に基づいたテレビドラマ。 心療内科、…

ストリート占い師の冬 その3〜冷たすぎて食べられない〜

こんな「おにぎり」を食べたことがありますか? 占い師MaKoTo ©2020kinirobotti コンビニで買ったり、家から手作りのものを持っていったりしていました。 冬のある日、サイドテーブルに置いておいた「おにぎり」。昼12時が過ぎて、さぁ食べようかなと手にし…

2020年冬ドラマあれこれ「ケイジとケンジ」「病室で念仏を唱えないでください」「グッド・ファイト」他

先に「テセウスの船」について書いた。 このドラマ以外はさほど取り上げるまでもないのであるが、ちょこっとあげておく。 良いものから。 「グッド・ファイト」アメリカ NHK総合日曜夜10時 「グッド・ワイフ」のスピンオフ。 「グッド・ワイフ」よりぜんぜん…

「スカーレット」〜断りを入れなくていい自由〜

無我夢中になる姿を、第17週では喜美子役の戸田恵梨香が、常軌を逸した表情と姿の演技で見せつけてくれた。 「スカーレット」NHK朝ドラ 主演/戸田恵梨香 先に投稿した「天才作家の妻 40年目の真実」「メアリーの総て」の記事につながる内容だった。(下にリ…

女性専用車両とお迎え宇宙船のdecency〜優しい人たちはどこにいる〜

「女性専用車両」 乗ったことありますか? 女性ならしっかり選択して乗っている人もいれば、たまたま乗ったという人もいるでしょう。 男性なら、間違って乗ってしまった人も少なからずいるのではないでしょうか。故意に乗ったという人も極めて稀でしょうがい…

「テセウスの船」〜タイムトラベルの妙技と謎解き〜面白い2020冬ドラマ〜

これは面白い、と言うべきか、 意外と面白い、と言うべきか。 「テセウスの船」TBS日曜夜9時 脚本/高橋麻紀 原作/東元俊哉 出演/竹内涼真 鈴木亮平 2020年冬ドラマが始まった。 前シーズン秋ドラマでは「同期のサクラ」「G線上のあなたと私」がたいへん…

The Wife「天才作家の妻 40年目の真実」/「メアリーの総て」〜夫の態度と妻の尊厳〜

「男性より才能豊かな女性」「自立する(できる)女性」を描いた映画が、昨年いくつか日本で公開された。 「シュガー・ラッシュ:オンライン」 「メアリーの総て」 「天才作家の妻 40年目の真実」 「アリー/スター誕生」 「コレット」 「アリー/スター誕生…

「ウルトラセブン」〜そのユマニスム〜

脚本家の上原正三が亡くなった、というニュースがあった。 ウルトラセブンについて、そのストーリーの精神性と社会性の高さについて語る文化人たちも多い。 私自身、いつ頃からそう思ったのか定かではないが気づくと、「ウルトラセブン」はとても「哲学的」…

ストリート占い師の冬 その2〜続・相談者さんのお心遣い〜

チップをくださる相談者さんもいる。 常連さんにも、一見さんにも。 冬はとくにこう言われる。 「ストリート占い師MaKoTo」 ©2020kinirobotti 夏は、冷たいものでも飲んでください、と言われる。 日本にはチップの習慣はないが、この仕事では、占いや占い師…

グレタ・トゥンベリとお偉いさんたちの関係を「やりすぎ都市伝説」から考えてみた〜異星人と地球人の関係に似ている〜

子どもは怖い、残酷だ、と誰かが言ったり書いたりしているのを見たり聞いたりしたことのある人は多いのではないでしょうか。 いいえ、子どもは怖いわけでも残酷なわけでもありません。ただ正直なだけです。本当のことを言ってしまうだけです。 つまり、残酷…

「毒親介護」〜占い師の感想〜

こんなドラマのようなことが本当にあるとは… 「毒親介護」 石川結貴/文春新書 介護問題は子育て問題と深い関係があるのだな、と思った。 ひとつは、精神的にも肉体的にも、たったひとりの能力許容範囲を越えている、という意味で。 もうひとつは、毒親とそ…

図書館の貸出評は空想の宝庫〜森有正「バビロンの流れのほとりにて」〜

森有正の「バビロンの流れのほとりにて」「砂漠に向かって」を図書館で借りた。 昭和43年と45年が初版第一刷の書物だ。 森有正の名前には記憶があった。 森有正が翻訳したアランの「わが思索のあと」を持っているからだ。 けれども恥ずかしながら、私はこの…

ストリート占い師の冬 その1〜相談者さんのお心遣い〜

ストリート占い師の冬は極寒。 けれども、相談者さんのお心遣いは何よりも温かい。 「ストリート占い師MaKoTo」 ©2020kinirobotti ビルのオーナーがケチで、壊れた空調を修理してくれず、ここで仕事をした最後の2〜3年の夏と冬はしんどかった。 電気ストーブ…