ねことんぼプロムナード

タロット占い師のetc

ウイルスより怖い人間〜デマによる買い占めに思うこと〜

こういうときに怖いのは、ウイルスよりも人間だ。

 

トイレットペーパーはほぼほぼ100%近く日本で生産しているので、なくなることはない(別の事情ではなくなる)。

この事実を知っていれば、急な買い溜め、買い占めのために地獄絵図をつくる一員にならず、今本当に必要な人のための物を奪うことにならずにすんだはずだ。

 

パニックになると人は、なぜか大量の買い物をする。生存欲、生存本能なのだろう。

デマによる買い占めが起きている。恐怖心、パニックによる不安から、不必要な買い占め、買い溜めをする人々。

邪悪は、高額転売のために買い占める人たち。

 

今まさに使う分のトイレットペーパーがない人々が普段通りに買えないことになっている。そろそろなくなるから買いに行かなくちゃ、という人々だ。

ティッシュペーパーやキッチンペーパー、生理用品も商品棚からなくなっているという。

これらに関しては、普段通りの生活をしていれば、お店から消えてなくなることはなかったはずの品物たちだ。

生理用品は切実だと思う。

 

あるドラッグストアにあったお知らせ。

お知らせとお詫び

トイレットペーパーはデマの為に品切れとなりました。明日以降も通常通り納品されますので、爆買い等は必要有りません。毎週 土火木に納品されます。

ツィッターより)

これは、品切れとなっている理由を正確にお知らせしているので、とても良い告知だと思う。

報道・情報番組で放送されていたある商店のトイレ前の「トイレットペーパーが不足しているのでトイレットペーパー持ち込みの方のみ利用できます」というお知らせは、無知な客からすれば「やっぱりトイレットペーパーないんだ、大変だ」となりはしないか?

 

デマを飛ばした張本人は逮捕されるべきだと思う。どこかの国ではコロナ関連でデマを流した人は逮捕されている。

次にそれを信じて拡散し、鵜呑みにして買い占めに走った人たちも同罪だ。

不幸なことに、一定の市民が買い占めるので本当に品物がなくなる。普段通り入荷して店頭に並んでも、その矢先からまた買い占められてなくなる。 

私は、ドラッグストアやスーパーマーケット内で、繰り返し放送したらいいと思う。

「デマによってトイレットペーパーが店頭にない状態になっています。それは、そこのあなた、あなたが不必要に買い占めたり、買い溜めたりしているからです。普段通りしてください」

入荷したら、

「今本当に必要な人だけが購入してください。あなたの家には何ロールのトイレットペーパーがありますか?正気を取り戻してください」

とアナウンスしてから開店するのはどうだろう。

 

私は、日本のトイレットペーパーのほぼほぼ100%近くは日本(静岡)で作られているということを知っていたので、なぜみんながこぞってトイレットペーパーを買い占めているのか分からなかった。

東日本大震災のときに、トイレットペーパーや水やお米が店頭から消えたのは、物流が滞ったからだ。

今回の不足は、パニックに陥って思考停止になって不必要に買い占めるという消費者の愚行によって起こっている。そして、本当に今必要な人も当然ながら必要だから買いに行く。商店を訪れた客がまさに空になっている商品棚を見て、あらたにパニック市民となり朝から並び、人を踏みつけ、ときに争い、買い占め、店員に理不尽な文句を浴びせる。悪循環は止まらない。

賢い市民がひとりふたりと登場することを願う。

 

殴り合いの争いまで起きている様子を見ると、まるで「蜘蛛の糸」に出てくる地獄の群衆さながらだ。いや、この分だともしかしたらアウトブレイクのなかで、これはこれからあちこちで見られる光景となるのかもしれない。

 

教科書や書物、映画などで善悪や美醜が描かれているとき、善や美のほうにおそらく大多数の人々が共感する。共感しないまでも、そちらのほうが尊い行為だし善人だということは分かる。が、現実は違う。大多数が醜い側になってしまう。そしてそれは生きるために仕方ない、当たり前だ、と言う。

 

気持ちの悪いことはさらにある。

電車のなかで咳をした人に対する乗客の恐ろしい反応。

もちろん、咳やくしゃみはコロナ云々ではなくても、電車内など閉鎖空間では特に気になる。ゆえに互いに礼儀は必要だ。さらに言えば思いやりも必要だ。

 

戦争でも戦争そのものよりも周囲の人間たちのほうが恐ろしい(そのものももちろん怖い)と、私はドラマなどを観て子どもの頃から思っていた。そういう意味で今回の騒動も戦争と似ていると思う。が、

野口健

総理のお願いに「決断に至った根拠を示せ」との意見も理解できる。しかし、今や戦時中と同等だとみなすべき。細かな検証はコロナが収まった後に、今後の教訓として徹底的にやればいい。今はこの国難の最中において与野党、そして国民が一致団結するべき。痛みを伴いながらも乗りこえるしかない!

という意味からではない。

いや、このような言説が出てくるという意味でも戦時中と似ているのかもしれない。

上記ツィートに関しては、

岩田健太郎

その戦時中にやらかしたポカミスを繰り返さないのが大事。「国難」「国民が一致団結」とかいうノリが一番危うい。こういうときこそクールに根拠、事実、検証、改善を。

に賛同する。

私が忌み嫌うのは、いわゆる第二次世界大戦下での「隣組」というやつだ。監視し合う社会。チクリ社会。そして憲兵

周囲の誰も信じられない社会。

出来事よりも人間のほうが怖い。

幽霊よりも人間のほうが怖い。

総じて「人間って怖い」。

 

山の手線車内での咳を巡って争っている乗客をスマホで撮影していた高校生が、いい大人がこんなくだらないことで言い争っていて「世も末」だと思った、とインタビューに答えていた。冷静な思考を持った人間がまだいてくれることに、いささか安堵した。しかも10代の若者だ。

 

末法の世」と言われて久しい。かれこれ20〜30年にはなるのではないだろうか。

ここが特異点(シンギュラリティ)になるのだろうか。

「世も末」になったら、シフトアップしなければならないのだろう、と思う。でなければ退化して滅ぶ。

 

にしても、マスクは早急になんとかしてもらいたいものだ。 

 

マスクもトイレットペーパーも、商品が出回っても、一定のパニック市民によってあっという間に買い占められて、結局また礼儀正しい人々が購入できなくなるということがあってはならない。

そんなことをしていると、国が一手に買い上げて国民に配るという事態が起き(その方法も応急的に、そして権力側の倫理観が失われなければ有効だと思うが)、いつの間にか独裁国家が出来上がることにもなり得るからだ。こうした状況を政治は巧みに利用する、というのが世の常。

やっぱり人間は怖い。

 

 

小田嶋隆

「デマに踊らされているバカなヤツらと転売で稼ごうとしている悪辣な連中が買い占めに走るから、賢くて奥ゆかしいオレ様も生活防衛のために商品を確保するべく行列に並ばなければならない」てなことを考えている人たちが最大多数だったりするのだろうね。

 

内田樹

昨日スーパーに買い物に行ったら、みごとにトイレットペーパーとキッチンペーパーが棚からなくなってました。みんなデマにほんとうに弱いんですね。たしかにこれくらい浮足立つ国民性なら「もっとひどいこと」が起きても不思議はないな・・・と思いました。

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