ねことんぼプロムナード

タロット占い師のetc

続・ウイルスより怖い人間〜買い占めの悲しい思い出〜

トイレットペーパー買い占めパニックにつながるツィートを流したという人物が特定されて、所属する組織から謝罪が発信された。

 

我が家では、生協で毎週1パック、トイレットペーパーを注文しているのだが、それがなんと「抽選」になってしまった。

謝罪されても、こんな風に全国津々浦々にその影響が及んでいる、という現実はどうにも止まらない。

デマ情報を発信した人物しかりだが、もはや、それに惑わされて買い占めに走る愚民がどれだけいるのだろうと想像すると空恐ろしい。

 

さて、私はトイレットペーパーを購入できるのだろうか。できなかった場合、ドラッグストアで購入できるのだろうか。メーカー側はどんどん発送すると言っているが限界はあるだろう。そのうえ、先にも書いたが、そのそばから依然として買い占めに走る愚民が多数いれば、結局は常に商品棚には並ばない、早い者勝ちということになるだろう。

早い者勝ちが苦手な人文的人々(おそらくは)は、普通に静かに購入したい(と思っている人が多いように思うが)。

 

お陰様で思い出した幼き日の思い出がある。

小学3年生のときだったと思う。

算数の時間に、立方体の勉強のために「サイコロキャラメル」を使うので買ってくるように、というお知らせが担任の教師からあった。

買いに行くと店のおばさんがこう言った。

「今、男の子が来て全部買っていっちゃったの。ごめんね」

これでしょう。1つでいいのに、どうして買い占める必要があるのか。百歩譲って、その子が誰かに頼まれたとしても、私は腑に落ちない。

ここは小さな個人商店なので、もともと品数が少ない。大きなスーパーマーケットはちょっと遠い。母親は夕刻にそんなところへ行くな、と言う。おかあさんが買いに行ってくれればいのに、とも思うが、今思ってもちょっと遠いんだよね(このネガティブな思い出もあって、私は長じてから、駅前に住むようにした)。

ものすごい心の負担を抱えたまま私は翌日登校した。そして、忘れ物表にチェックされた。

これも解せなかった。売ってないのに、買えなかったのに、どうして忘れ物になるのか。

だいたい、店で買って来いという宿題を出すこと事態どうなんだろうと、今の私は思う。自分の子どものことだったら学校に電話していると思う。

大きなスーパーマーケットでも売り切れだという情報を友人から聞いた。要するに、1学年全員(当時は大人数)が買いに行ったらなくなるよね。

クラスや学年で私のような人がいたかどうかは判然としない。私ひとりだったのだろうか。私ひとりがぐずぐずしていたのだろうか。数日前から通達されていたのかもしれない。分からない。私の記憶も変質している可能性はある。

が、買い占めがあったことは確実だ。お店のおばさん証言がある。その男の子が自分の分だけ買うという常識を守ってくれていたら……たったそれだけのことなのだ。

 

いずれにせよ、そういうことだ。買い占めるということはこういうこと。不安からなのか、勢いなのか、無知からなのか、不必要なものを余計に買うという愚行はその影で困窮する人を生み出す、ということだ。

 

マスクもどっかにごっそりあるのなら、在庫が潤沢になるまで譲ってくれるといいのに。

政府が買い上げて北海道に配るなら、それは全国にお願いしたい。そういうの本当は良くないんだけど。でも、流通したって早い者勝ちの買い占めでしょうどうせ。長引けば、市民はより愚民化し、殺伐となり、殺人事件だって起こらないとも限らないような勢いではないか?

 

私はこれから新幹線に乗らなければならない。咳をしたら殴られるのかな……。すいてるらしいからだいじょうぶか。

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