あれぇ〜?おもしろい!
今期は全滅か?くらいに思っていて、録画したまま未視聴になっている過去のドラマや映画でも観て2022年秋を過ごそう、と思っていたのに。
ただし、ここで推薦する以外のドラマは視聴していません。
「相棒21」テレビ朝日 水曜夜9時
水谷豊 寺脇康文 他
まさかの亀山薫(寺脇康文)復活情報に、少し前からなんだかワクワクしていた。やっぱり右京さん(水谷豊)の相棒は亀山でしょう!と叫んでいる人が日本国中に大勢いるのではないか。
ここ数年の相棒は、首を傾げるような演出やセリフが目立ち、納得感の薄いドラマに仕上がっていたように私は感じ続けていた。ゆえに、ここ数年はほとんど視聴していなかった。
冠城 亘(反町隆史)が相棒を去るということで、次の相棒は誰だ?女性だったらいいのになどと思っていたところへの亀山復活のサプライズだった。
でも、冠城の相棒時代は7年間もあったのか。長かったんだ。甲斐享(成宮寛貴)と神戸尊(及川光博)時代はそれぞれ3年間だったことを考えれば、良くも悪くもほんとに長かった。
亀山復活に合わせて亀山時代の再放送もあったりして、思わず観てしまった。名作が多い。一方で時代を感じる。20年かそこらで世の中というのは変わるものなんだな。タバコを吸うシーンは今ではほとんど見られない。
ところで、一度退職した警察官は復職できるのだろうか。亀山くんは嘱託職員だそうだ。なので捜査権はない。亀山くん曰く「もともと特命係には捜査権はないですよね」
1話2話と視聴した。面白いに違いない、と思い込んで観ているからなのかもしれないが、面白い。続けて視聴の予定。
にしても、亀山、いや、寺脇康文、若い!還暦だそうだが、見えない。容貌も動きも若い。
夕方のニュース番組「スーパーJチャンネル」で、水谷豊がちらと喋っていた。何ごとにも終わりは来る。相棒も最後は亀山と思っていた、と。私もそう思う。登場人物たちの年齢を考えれば、寺脇の相棒で最後になるのではないか、と。コナンやドラえもんのようにみんなが年取らなければいいのだろうが。
できるだけ長く続いてほしい。さらなる名作が生まれることを期待する。
「PICU小児集中治療室」フジテレビ 月曜夜9時
民放地上波のドラマにありがちな、紋切型というのかステレオタイプというのか、そんな物語の始まりと展開ではなく、加えて言うと、とても静かにストーリーが始まり流れていく。
簡単に言うと、ガチャガチャしていない。逆に言うと、最近のドラマのほとんどが、ガチャガチャとうるさい。わざと刺激的演出をかける。ドラマチックにする。このドラマにはそれがない。
主人公・志子田武四郎(吉沢 亮)は小児科医。悩みながら考えながら、患者と向き合いながら自分と向き合いながら、注意深く進んでいく。
登場人物たちのキャラクターも良い。
こういうドラマ、つくれるんじゃない。
北海道でロケ中に朝ドラの子役が死亡したことをきっかけに、北海道知事の要請で北海道にPICU、すなわち子ども専門の(救命)集中治療室をつくる。そこに集められた医師、看護師の健闘ぶりが丁寧に描かれていく。
最初から思わず見入ってしまうのは、脚本の腕前なのか、演出なのかカメラワークなのか。子どもの生と死を扱う深刻なドラマにもかかわらず観てて心地よい。決して、視聴者の感動を煽り立てない。その分、じんわりと心に響く。役者の演技が輝く。
これ、うまいよ、つくりがうますぎる。
そして吉沢亮。私のなかでは良い俳優としての認知がなかった。アイリスオーヤマとマイナビバイトのCMの人という印象が強い。そもそも吉沢亮かぁ、観るのやめようかな、と思っていたくらいだ。ところが良い。たいへん良い。
「なつぞら(2019年NHK朝ドラ)」以来、吉沢が出演するドラマや映画をおそらくほとんど見ていない。よく見もせずに低評価にしていた自分に反省(ただちょこっと言い訳させてもらえれば「なつぞら」自体がが面白くなかったのである、ということも影響している)。
「エルピス」フジテレビ月曜夜10時
月曜日は、「PICU」からこのドラマへの流れということになるフジテレビ(そもそもこの月曜夜10時の枠、2016年まで「SMAP×SMAP」が放送されてたんだよな)。
これも面白い。これから何が起こっていくのだろう、と真剣に入り込んでしまう。
実際に起きたさまざまな犯罪事件を参考に作られたドラマ。
まだ第1話のみの視聴だが、冤罪を報道がどう暴いていくのか、というのが中心的ストーリーなのか、な。
このドラマも、とても上手にできていると思う。「PICU」同様にガチャガチャしていない。紋切型ではない。
完成度が高いように思うが、ここから先、息切れしないことを期待する。
ちなみに長澤まさみ、あまり好きな俳優ではなかったのだが、このドラマでいよいよ本領発揮か、くらいに良い。さらに、 眞栄田郷敦も良い。「かなかな(2022年NHK夜ドラ)」での演技を見て注目していたが、すこしとぼけたようなバカ正直のような役が非常にうまい。
清原果耶 瀬戸康史 小芝風花 及川光博 田中道子 須賀健太 他
小説原作のドラマ。
私は、漫画原作とか小説原作とかにいささか反感を持つほうだが、これは面白い。
原作ものに反感を持つとは言え、宮部みゆきは大好きだし、小説で読むよりも映像で観たほうが楽などと実は思っている。そもそも小説は読む習慣がないので、ありがたい。なぜときどき賛同できないかと言うと、オリジナル脚本を書く脚本家が育たないのではないかな、と思うことがあるからだ。余計なお世話かもしれないが、視聴率のことだけを考えた作品は好きではない。
さて、えっと、この3人(清原 瀬戸 小芝)は、なんと「あさが来た(2015年NHK朝ドラ)」の主要メンバーだった俳優たちではないか!感慨深い。3人とも良い役どころだった。そう思ってから、私の耳の奥で「あさが来た」の主題歌「365日の紙飛行機」がずっと流れて止まらなくなった。ヤバい。あのドラマはとても良質なドラマだったのである。
回顧談は置いておくとして……
もうひとつだけ記させていただくと、清原と小芝の共演が私は嬉しい。なぜなら、私のなかの勝手な印象だが、「あさが来た」のあと、清原果耶の評価が非常に高く、めきめきとその才能をのばし、華々しい活躍がはじまった。一方で、小芝のほうはちょっと出遅れ感があった。実際は活躍ぶりにそれほどの差はなかったのだが、どうも清原のほうが「透明なゆりかご(2018年NHK)」などの名作への主演もあって目立っていたような印象が強い。なので小芝が「トクサツガガガ(2019年NHK)」「美食探偵(2020年日本テレビ)」「妖怪シェアハウス(2020年2022年テレビ朝日)」「モコミ(2021年テレビ朝日)」と、主演でどんどん出てきてくれて嬉しかった。
その二人が濃厚な共演。しかも私が楽しみに視聴することができている(できそうな)ドラマで。それもあって感慨深いのである。
さてさて、このドラマ、霊媒体質の翡翠(清原)が、ミステリー作家の香月(瀬戸)と協力して、事件の謎を解いていくという推理ものだ。小芝は翡翠のアシスタント真の役。真はどうやら、霊媒といういささか危険で特殊な能力を持っている翡翠を守っている存在でもあるようだ。翡翠自身は、特殊能力の是非に葛藤しつつも、なんとか世間との有益な接点を見つけてこの力をぜひとも何かの役に立てたい、と健気に願っている。
占い師としての私の心に残った翡翠の霊媒師としての姿勢がある。それは、相談者から料金を取らない、というルールだ。
その理由を真が語ってくれた。すなわち、労働の必要がないほどの資産を持っているから。これは羨ましい、というか理想的だ。スピリチュアルな仕事で収入を得ることの是非は、商業主義的な思考の持ち主以外(たいていはそっちなのだが)ならたいていは葛藤する事柄だ(この話題は、別の記事でも書いたし、これからも折りに触れ書いていくことになると思うので、ここではこれ以上は述べない)。私も翡翠のような資産家だったら、いわゆる金持ち商売のスタンスで占いという仕事を心置きなくできるだろうな、と妄想する。占い師や霊能者に限らず、生活に困らず死なずに生きていける環境は人間にとって非常に大切だ。
楽しみに視聴できそうだ。
「ザ・トラベルナース」テレビ朝日木曜夜9時
期待して観たわけではない。脚本が中園ミホなので(中園作品は好きなものもあるのだが、ときどきがっかりする)。そのうえ、岡田将生かぁ…もあった。それでも、とりあえず観てみるか、とチャネルを合わせた。
面白かった。すごく面白い。
これもまた新しい描かれ方をしている、と素人ながら思った。
トラベルナースとは…
スーツケースひとつを手にいろんな街を渡り歩き看護に従事する、優れた資格を持ったフリーランス看護師のこと。日本ではまだその存在はあまり知られていませんが、アメリカでは全看護師の10%を占める40万人ものトラベルナースが存在し、コロナ禍のNYでも活躍しました。
(テレビ朝日ドラマサイトより)
そのような看護師がいることを私ははじめて知った。
那須田(岡田将生)は、医師の指示で医療行為を行うことができるNP(=Nurse Practitioner)として、アメリカでスーパードクターの補助をしていた看護師。
そして、救急病院を渡り歩いてきた謎のスーパーナース九鬼(中井貴一)。
この二人の看護師が、ある病院に呼び寄せられたところから物語ははじまる。
第1話は、治療や手術の順番を権力者優先にする傲慢な外科医を、ある意味こらしめていくストーリー。
これは至極真面目で社会派な医療ドラマなのだろうが、けっこうコメディタッチなシーンもあって(おもに九鬼)笑ってしまう。そして、威張りくさっている外科医をやっつけるシナリオは痛快だった。
ここからどう展開していくのか、楽しみだ。
岡田将生も、これまでは大根役者の雰囲気が漂っていたが、ここでは良い。そういえば何かの番組でのナレーションも良かった。顔偏差値だけではないようだ。見直した。
ちなみに、医療ドラマでいうと、海外ドラマだが現在「グッド・ドクター5(アメリカ WOWOW )」と「DOC(ドック)(イタリア NHK )」が放送中。
「グッド・ドクター」もシーズン5となると、ちょっと方向性が見えにくくなった。いつもなら毎週楽しみに録画を観るのだが、今期は2話で止まってしまい、録画がたまっていく。
「DOC」は死亡した患者の父親に頭を撃たれて記憶喪失になってしまった医者の話。なかなか面白い。イタリアのドラマを視聴するのはたぶん初めてだ。続けて観るつもり。
「ファーストペンギン」日本テレビ水曜夜10時
脚本は森下佳子だし、主演は奈緒だし、これは観たい!と思って第1話を観たのだが、その後、あれこれ重なってリアルタイムで観れず、録画がたまっている状態(Huluでも観れるけど)。曜日と時刻的には「相棒」の後なんだけどね。リアルタイムで観れるとよいのだが、キャッチアップできるかな。
これは、株式会社GHIBLI(ギブリ)代表取締役である坪内知佳さんの実話に基づく物語。ひょんなことから関わることになった漁業の世界で、これだけの成功を収めている女性って、すごいとしかい言いようがない。
ドラマのほうは、歯切れのよいポジティブなストーリー展開で(もちろん壁や敵は現れるが)、エンターテイメントとして楽しめそうだ。漁業の世界についての勉強にもなりそうだ。
奈緒ファンなので、奈緒初主演ドラマなので、時間をつくって必ず最終話まで観たいと思う。
「一橋桐子の犯罪日記」NHK土曜夜10時
松坂慶子 由紀さおり 岩田剛典 長澤樹 片桐はいり 草刈正雄 他
松坂慶子がNHKのドラマで演じる老後の世界は、今年5月〜6月にも放送された。「今度生まれたら」は記憶に新しい。え、また松坂慶子の?と思ってしまったが、松坂慶子は、良いポジションを得たのではないか。美人できりっとした役ではなく、「まんぷく(2018年NHK朝ドラ)」でもそうだったが(主人公の母親役)、おおらかでのほほんとした老年期の女性の役が妙にうまい。ふくよかな体型になったのも功を奏しているのかもしれない。
いわゆる美人女優が老年になってテレビで演じることに抵抗感を感じる人(本人および視聴者)もいるようだが、最近は顔を直せるのでまたちょっと違うのかもしれない。が、明らかに直してるよね、と見えるのもなんだか私はあまり好きではない。倍賞千恵子はどのように直しているのか知らないが、とても自然な老齢の顔立ちだ。まだ若くても直してるふうな人もいて、ときどき誰か分からないこともある。
その点、松坂慶子は良い。
余談に終始したが、このドラマに関しては大して期待もしていなかったのだが、何気に観たところなかなか楽しかった。老後を楽しく過ごそうといっしょに暮らしていた親友が突然亡くなってしまい、寂しさと金欠から、犯罪者になって刑務所で残りの人生を暮らすことに希望を見出す。そのための活動(犯罪)を起こしていく。囚活だ。
社会派コメデイー、かな。
観始めは面白く楽しみだったのだが、他に秀逸なドラマが出てきて、私のなかでちょっと色褪せてしまった感がある。でも録画しているので、最後まで観る予定。
同じ時間帯にWOWOWで放送していた「HOTEL NEXT DOOR」はすでに放送終了したが、こちらも面白かった。主演はディーン・フジオカ。ホテルを改善し、買収を乗り越えていく物語。
ニューヨークで演技の勉強をしたとあって、英語の発音がきれいだった。注目若手女優だったが、2014年の高崎映画際最優秀新人賞を受賞したあと、力不足を感じた阿部は、事務所を辞めて芸能活動を停止。ニューヨーク大学演劇科へ留学。帰国後、「とと姉ちゃん(2016年NHK朝ドラ)」で復活。そのころから私は注目していた。「おちょやん2020年NHK朝ドラ)」にも出演していた。なんだかんだと主役ではないが、けっこういろいろなところで見かける俳優だ。
2014年に何があったのかは知らないが、ニューヨーク大学でアミューズのスタッフと出会ったのは運命だったのだろう。才能は放っておけない。
一度見たら忘れられない、独特の雰囲気を持った人だ。これからますます活躍してほしい俳優のひとりだ。
ついでながら、阿部純子が出演しているらしいので、録画してあった「旅屋おかえり 秋田編(2022年NHK)」を視聴したところ、ほんの少しの脇役だった。え〜もったいない使い方をするなっ、と思わず叫んでしまった。でも、メインの役しか受けません的な俳優やアイドルよりもずっと誠実な役者に思える。贔屓目すぎるか。
〜〜〜〜★まとめ
ということで、今期注目して視聴しているドラマは以上です。
年末、秋ドラマ終了時点で、ここにあげたドラマをすべて観ているかどうか。そしてどんな感想を持つことになるか。自分でも楽しみだ。
ほぼほぼ共通して言えるのは、新しい表現と切り口のドラマだ、ということかな。
加えてもうひとつ言わせていただければ、上に書いたとおり私にとっては、何人かの役者の能力を見直すチャンスにもなっている。吉沢亮、岡田将生、長澤まさみ。
さらに言うと、主人公たちが静かな葛藤を抱いている。「PICU 」「エルピス」「霊媒探偵」。「ザ・トラベルナース」も「ファーストペンギン」も、元気だが一方で抑制的だ。医者にしても、探偵にしても、霊能者にしても、コメディタッチにしようとしてか、へんに自信満々のキャラがこれまで多かったように思う。ときに腹立たしいほどの奇妙なキャラもいた。そんな流れのなかで、今期の主役たちは哲学的であり倫理的だ。
おまけ
「拾われた男」NHK火曜夜10時
仲野太賀 草彅剛 薬師丸ひろ子 井川遥 伊藤沙莉 風間杜夫 石野真子 他
俳優松尾諭の自伝的エッセイをドラマ化したもの。
これはすでに夏ドラマとしてBSプレミアムで視聴してしまったので、ここにはあげていない。
本当に「拾われる」という奇跡のようなシンクロニシティのなかで、俳優として売れていく松尾のここまでの人生、が本気ですごい。
面白かったので、視聴をおすすめする。
ひとつ難を言えば、嫌いだった家族が、実は本当は良い人たちだった的なしめくくりにするのは、どうなんだろうと思う。エッセイではどう書かれているんだろう。これは語ると長くなる重要なテーマでもあるので、また別の機会に。
仲野太賀が良い。