なんと言いますか、今年は性加害ニュースではじまりました。
しかも、元SMAPの中居正広は、この騒動の主人公で、そして芸能界引退を宣言してしまいました。
なんてことをしてくれたのか。私はSMAPファンです。解散騒動の際にも、応援してました。MCとしての中居くんは国の宝だ、なんてことまで言っている作家もいましたよ。
ときどき言葉の端々に、あれ?と感じることはありましたが、それでもまさか、こんなことをしていたなんて。
プライベートで何をしようと勝手ですが、内田樹も言うように、テレビに出演している人たちは、公務員ではなくでも「公人」です。政治家ほどではないにしても、倫理や道徳を求められて然るべき存在です。
いやいや芸術家なんて破天荒でなんぼだろう、というのはその界隈では常識かもしれません。が、それはどうなんだろう、と一方で思わざるを得ません。
もちろん、異常や奇異のなかから生まれるものもあるでしょう。あいつ変わってるから、で済まされることもあるのかもしれませんし、実際その通りではあるのでしょう。
品行方正を求めるな、と言う人たちがいます。誰でも欠点はあるし、ときに間違ってしまうこともあります。
けれども、基本的には、内田樹の言う通りなのだろう、と私は思っています。
人の目に多く触れる人たちは、ましてやそこで仕事をしてる人たちは、世の人々の手本であることが求められて然るべき、なのだろうと思います。
金と権力を持ってしまった人が、自分を見誤ってしまった卑劣な行動は、許されるものではない。金と権力を持った人たちは、むしろ模範的であることをまともな社会なら求めるのです。
最近はいささかちょっと違った風潮もあるようですが、社会が壊れる前に、その辺りは善なる道に戻しておいたほうが良いような気がしています。
加えて、フジテレビ。昨年のジャニーズ事務所性加害事件で、さまざま反省したのではなかったのか。
体制を一新したほうがいいですよ。権力を持って勘違いした人たち、出世のためにしてきたこと、セクハラ、パワハラ諸々。フジテレビだけではないでしょう。けれども、表に出てきたところから是正していくしかありません。
視聴者も忍耐強く、声をあげていくべきでしょう。あいまいに許すことは、これからの世の中のためにもよくないのだと思います。
そのフジテレビなんですけど。なんとまぁ、ドラマ好きの私がこの冬シーズンでいちばん見ているのはフジテレビのドラマなんですよ。
「海に眠るダイヤモンド」(TBS 主演/神木隆之介)が昨年末に終了して、あまりに素晴らしいドラマで、その余韻がずっと心に残っていたものですから、1月からのドラマ観れるかなぁ、と不安だったのです。が……面白い!よかったぁ。
「119エマージェンシーコール」月曜夜9時 主演/清野菜名
「秘密〜THE TOP SECRET」月曜夜10時 主演/板垣李光人 中島裕翔
(カンテレ 漫画原作)
「アイシー〜瞬間記憶捜査・柊班」火曜夜9時 主演/波瑠
「問題物件」水曜夜10時 主演/上川隆也 内田理央 (小説原作)
「日本一の最低男」木曜夜10時 主演/香取慎吾
「119エマージェンシーコール 第3話」と「秘密〜THE TOP SECRET 第2話」は、1月27日、フジテレビの長時間記者会見の放送で中止となり、翌週放送となりました。
ちなみに秋ドラマもけっこフジテレビは良かったんですよ。
「嘘解きレトリック」月曜夜9時 主演/鈴鹿央士 松本穂香 (漫画原作)
「モンスター」月曜夜10時 主演/趣里 (カンテレ)
「全領域解決室」水曜夜10時 主演/藤原竜也 広瀬アリス
「バントマン」土曜夜11時40分 主演/鈴木伸之 (東海テレビ)
月9と月10、2シーズン連続でがんばってますね。
恋愛ドラマではない物語がvery goodだと感じています。恋愛要素なくても、人を惹きつけるドラマってつくれるんですよ。
今までにないタイプのドラマが続いています。
ただ、「119エマージェンシーコール」「秘密〜THE TOP SECRET」「アイシー〜瞬間記憶捜査・柊班」は、ひとつ似通っている特徴があって、それは、事件の詳細を記憶の映像でたどる、というところです。
とはいえ、上記作品はどれも個性が光っています(月並みな表現でごめんなさい)。
「秘密〜THE TOP SECRET」は、今週ようやく第2話だったのですが、最初から警察内部で異様なことが起こるし、事件もホラーっぽい。原作漫画は大ヒット作品だそうで、「SFサスペンス」と謳われていますが、私は「SF“ホラー”サスペンス」のほうが適切な表現ではないかと思っています(少なくともドラマでは)。映像の雰囲気も、なんだったら「リング」を彷彿とさせるし。
あ、ホラーなんだ、スティーヴン・キングだな、と思って観ると分かりやすいです。
犯罪者の側からその事件、犯行の原因が紐解かれるところは、斬新です。
原作者は、清水玲子。「ミステリと言う勿れ」の田村由美といい、深い心の襞と事件の様相の描き方が天才ですね。
清水は1962年生まれ、田村は1963年生まれ。
ついでながら、小説家の宮部みゆきは1960年生まれ。
同世代のこの3人、天才としか言い様がない。思考回路が驚異的に繊細ですね。
せっかくいいドラマつくってるのに、フジテレビが残念すぎる、という話題でした。

ちなみに、フジテレビのあれこれが露出してきた今こそ、観るべきドラマはこれ。
フジテレビ 2023年7〜9月 木曜夜10時
「この素晴らしき世界」(脚本/烏丸マル太 主演/若村麻由美)
烏丸マル太の本名は、鈴木吉弘(1968年生)。フジテレビドラマプロデューサーを経て、2019年に編成センター室長(ウィキペディア)。
「嘘解きレトリック」のプロデューサーもこの人なんですね。
「この素晴らしき世界」では、テレビ業界の裏が描かれています。心ある俳優とスタップたちが協力して闇を暴き、最後にプロデューサーが逮捕されます。
コメディも入ってて、面白い作品でした。
主役が鈴木京香から若村麻由美に変更になったとかで、ちょっとどうなるの?と思っていましたが、逆にこの役柄なら若村でよかったのではないでしょうか。
余談ですが、若村は「嘘解きレトリック」にも出演していました。鈴木吉弘に高く評価されているのでしょうか。
このドラマ、よくストップかからなかったなぁ、と思っていたのですが、脚本を書いた本人がプロデューサーだから…なのですかね。
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