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「VIVANT」〜このドラマは「ドラム」に尽きる

「VIVANT」TBS 2023年7〜8月/日曜夜9時

出演/堺雅人 阿部寛 二階堂ふみ 役所広司 富栄ドラム Barslkhagva Batbold 他

 

 舞台がモンゴルで、初回からなかなかの迫力で迫ってきた。

 砂漠のシーンが続いていささか食傷気味にはなったが、謎解きを真っ向から仕掛けてくるストーリーと演出に、視聴者はぐいぐいと引き込まれていく。

 なんでこんな物語を思いついたのだろう、と単純に思わないでもない。

 例えば「ハリー・ポッター」について、こんな物語を書けるなんてすごい、と作者の豊かな創造性を天才だと称賛して驚いても、なんでこんな物語?とは私は思わない。

 たいていのファンタジーにせよ、ミステリーにせよ、ホラーにせよ、ハードボイルドにせよ、SFにせよ、自分の延長線上のどこかに置くことができる。

 しかしこのドラマは、違う。

 魔法も異世界もタイムトラベルも異星人も宇宙船も幽霊もシリアルキラーも出てこないけど、まったくもって現実離れが激しい。

 公安とも違う別班という自衛隊の秘密組織があって、危険を顧みずにテロなどから日本を守っているということらしい。巷間で噂になっているので、その存在の有無について国会でも質問が出たのだろう。当時の官房長官はその存在を完全に否定する答弁をしていた。

 でも、噂になるものって、たいがい存在するよね。

  原作演出監督の福澤克雄は、福澤諭吉の玄孫だそうなので、いわゆる「あなたは大丈夫です」の世界の人だろうから、様々な情報は入ってくるのだろうと推測はできる(都市伝説的に)。

 

 もしかしてただの復讐ものか?と思ったけど、ちょっと違った。結局最後は、乃木(堺雅人)が日本を守った?形になったからだ。

 登場人物たちの敵味方の謎解きは十分に楽しめたかな。けれども、それ以上でもそれ以下でもない、というところかもしれない、とも言える。

 

 このドラマで一躍人気者となったのは、ドラムとチンギスではないだろうか。

 チンギス役のバルサラハガバ・バトボルド(バルサー)は、モンゴルの有名な俳優だそうだ。確かにかっこよかった。

 ドラムもモンゴル人俳優なのかと思っていたら、日本の俳優だった。富栄ドラムは伊勢ヶ濱部屋の元力士。本名は冨栄龍太郎。四股名は富栄。2021年3月に引退後は俳優、Youtuberとして活躍していたようだ。「サンクチュアリ」にも出ていたんですね。気づかなかった。

 2023年2月、「VIVANT」に出演が決まったとき、役名の「ドラム」を芸名にしたとか。確かに合ってる。ドラム缶みたいな体型だから。

 このキャラクターが「めっちゃいい」。ドラムが出てくるとほっとする。いつもスマホの音声で話す。日本語が分からない設定なのかと思ったらそうではないようだ。実際の声を聞いてみたい。他の出演ドラマを見れば聞けるのかな。

 もしかして最後に裏切ったりするのかなぁ、とちょっと心配しながら視聴していたが、最後までいい人だった。よかった。

 ドラムみたいな仕事のできる人がそばにいてくれるといいですよね。モンゴルでの彼の働きぶりはすごかった。最強に感じたほどだ。

 

 私にとっての「VIVANT」は「ドラム」。

 ドラムとの出会いだけでもこのドラマを観る価値はあります。

 俳優・富栄ドラムのこれからが楽しみだ。

「VIVANT」ドラム a la TsuTom ©2023kinirobotti
ドラム缶型ロボットツトム風に書いてみました。

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ドラム缶型ロボットツトム