ねことんぼプロムナード

タロット占い師のetc

「お片づけ&処分」②肯定〜CDとDVDからスタート〜60歳からのわがままタロットセラピー3

60歳からのわがままタロットセラピー

=やりのこさないために=

=ご都合主義シニアのアジール

 

No13「死神」カード。

相談者さんのほとんどが恐れるカードです。死神を怖くないという人はいないかもしれませんが、タロットカードでは、直接的に「死」を意味するわけではないので、決して怖いカードではありません。

むしろ私などは「希望」のカードだと思っています。

今の状態をどうしても変えたくないという人にとっては、いささかやっかいなカードかもしれません。けれども、このカードを引いたということは、変化が示唆されている、あるいは要求されているのであり、古き自分、これまでの自分と決別するチャンスです。

古いものが死んで新しい扉が開く。「死」を迎えるのは、古いもの、古い自分なのです。

 

先の記事で「お片づけ&処分」に否定的だったという話をしました。

人生60年を過ごしてきた私は、ここ10年ほどの間にずいぶんと肯定的になったのです。いよいよ終活がはじまったから?なのかもしれません。が、単純にそれだけというわけではない、と思っています。

 

息子に促された「お片づけ&処分」。結局のところ、ものすごくたくさんの物を捨てることになりました。可燃ゴミ不燃ゴミ、資源ゴミ、粗大ゴミ、パソコン関係の特殊なゴミ。マンガは高く売れるというのでブックオフに送りました。ちなみにマンガは息子のものです。

これまでにも折に触れて色々捨ててきたと思っていたのですが、なんてことはない、まだまだ余分なものがたっくさんあったのです。

 

そもそもこのお片づけ作業は、CDとDVDの圧縮収納作業からはじまったのでした。けっこうな数があり、本棚の場所を意外と陣取っていました。実は、本の数も毎年増えますので、CDは別のところへ押し込んだりしていたのです。

圧縮してスリムにするためのソフトケースが、否応なく息子から送りつけられてきたのがはじまりでした。もうやらないわけにはいきません。今年中にはやる、を言い続けて先延ばしにすることもできなくなりました。

正直なところ、面倒な気持ちのほうが勝っていましたが、はじめてみるとなんてことはない、夢中になって作業をしてしまいました。

そしてCDやDVDがぐっとスマートになって本棚には十分な余裕ができたのでした。モーツァルト全集が収められていた収納ボックス(ガラス扉のついた立派なつくりです)は捨てることにしました。無駄に大きくて重たくて邪魔だったのですっきりしました。その箱の角でつまずいて足の指を痛めることもなくなりました。

 

CDとDVD本体とケース(ゴミ)の仕分けは、DVDは比較的容易だったのですが、CDはけっこう苦労しました。CDを取り出して、プラスチックケースを分解(ときに破壊)して間に挟まっている紙のジャケットや解説書を取り出します。CDを取り出すだけであとはポイッとゴミ袋に放り込めればいいのですが、そういうわけにもいきません。このプラスチックケースを分解する作業が容易ではないのです。床に座って作業していたのですが、指先が痛くなるのは当たり前としても、なんと足が痛くなりました。足の裏とふくらはぎです。何気に力が入っていたのでしょうか。意外なところに負担がかかるものなのだな、というのは面白い発見でした。

身体から力を抜くリッラクス法に長けた人なら肉体への負担はないのかもしれません。余計な力を入れて生きてるんだな、というのも分かりました。これじゃあ整骨院に通うはめにもなるよな、と。1年ほど前お世話になったのでした。このときも変なところに力を入れてしまう普段の自分の姿勢に気づきました。というよりも、全身を常に緊張させながら生きてきたのかもしれません。今さらですが、武道のお稽古に通ったほうがいいかもしれません。

 

それにいたしましても、いくつかの大きなゴミ袋に捨てられたCDとDVDのケースを見たとき「ああ、なんて無駄な買い物をしていたんだろう」と、けっこうな罪悪感に苛まれました。買わなかったらゴミになっていないのに。それよりなにより、こんな仕分け作業の苦労をしなくてよかったのに。

この圧縮収納形態で今後保管されるCDやDVDだって、60歳から先の私の人生で、いったい何回聴いたり観たりするんだろうか。いや、もしかしたら今現在もうすでに昔のようにゆっくりと集中して聴く時間も観る時間もないのだから、死ぬまでに二度と聴くことも観ることもないかもしれない。100%ないとは断言しませんが、そのほとんどがおそらく、残された私の人生のなかで聴かれもせずに仕舞われたままになるのだろうな、と想像できます。ドラマや映画にいたっては、動画配信サービスで観ることができます。配信されていないものや、貴重なものもありますが、その貴重なものだってもう観るかどうか分かりません。

そのうえ「60歳からのわがままタロットセラピー」としては、例えば映画でもドラマでも、まだ観たことのない作品を余生を使って鑑賞したいのです。

 

私には、死にゆくときに観たいと考えている動画があります。それはすでに家族に伝えてあります。

例えば、「コジコジ「すいか」スター・トレック」などなど。

平和で穏やかな心持ちで死んでいきたいからです。強欲でマウンティングな人々や傲慢で強権的な政治家たちの映像や声を聞きながら死にたくありません。できることなら、私が死ぬ前に政治家と言われている人間たちの顔ぶれが刷新されているといいのですが、憎まれっ子世にはばかるで、期待できそうもありません。

死に際にテレビ観たりしている人なんていない、かもしれませんが、たまたま点いていたテレビから流れていたのがものすごく嫌で腹の立つ映像だった、ということも無いとは言えません。理屈はどうであれ、穏やかな、あるいは平和な気持ちになれる映像や物語や音声を聞きながら死にたいじゃないですか。私の場合、尊敬している学者の講義でもOKです。

それに死にゆくときくらい、処世の思い煩いなく、ものすごく幸福な気分でいたいと私は考えています。

その基準に合わせて、処分せずに残しておくCDもDVDも選択しました。CDとDVDは、上記のように圧縮したので、実際は処分するものは少なかったのですが、それでも幾らかはさよならしました。特に気分の良くない記憶のあるものについては容赦なく。

 

CDとDVDのお片づけ&処分では、上に書きましたように、私の心にいちばん突き刺さったのは、「なんて無駄な買い物をしたんだろう」と、資源ごみとはいえ「こんなにプラスチックゴミを出してすみません」です。

昔のレコードジャケットは紙だったのですよね。燃えるゴミ。レコード本体を圧縮収納はできないでしょうが。

実はレコードは処分していません。それこそレコードプレーヤーもないので(ないというと嘘になります。プレーヤーは残してあるのですが音を出すアンプがないのです)、聴く機会は絶対にないのですが、なんだか捨てられません。ある意味貴重品ではあります。ちょっとやっかいな代物になりますが、処分は息子たちに委ねることにします。

ところでレコード盤は可燃ごみのようですね。もし捨てるなら紙ジャケットに入れたまま捨てられるのでCDのような苦労はなさそうです。それよりも売ればある程度のお金になるかもしれません。

小学生のとき、近所にお習字を習いに行っていたのですが、その家の庭に割れたレコード盤が散らばっていて、そこにいつも黒猫がいました。レコードを捨てようかなと思うとき、なぜかそのことを思い出すのです。あのレコードはどうしてあんなふうに割れて庭に散らばっていたのだろうか……。夫婦喧嘩でもして投げ飛ばしたのか、それとも何か特別な意味か理由があったのでしょうか。もしかして飛石の代用?幼い頃からずっと解明されないままです。黒猫も妙に印象的でした。

思い出話はまた別の機会に。

 

なんて無駄な買い物をしたんだろうと、ときどきため息まじりに声に出しながら、CD、DVDの「お片づけ&処分」をやっていたわけですが、けれども、それらを購入したときにはそれらが必要だったのです。必要だったから買ったのです。励まされたり、癒やされたり、楽しんだり、イマジネーションを掻き立てたり、ワクワクしたり……させてもらったわけですから、確かにゴミの山を見ますとどうしてもこの無駄遣いを責めたくなりますが、それもまた間違っているのだろうと思います。

しかし一方で、現在大問題となっている地球環境破壊、気候変動に思いを致しますと、このプラスチックケースしかなかったんですかね、と思ったりします。たまに紙のジャケットもありましたから、それでもよかったのでは?

最近は配信とかで、物理的にCDを買うということは次第に少なくっているのでしょうか?そうだとすれば、このようなゴミの山は出なくなるのかもしれません。とはいえ一人のファンに、握手会参加のために同じCDを何十枚も買わせる、ジャケットを変えて複数枚買わせるなどの商法がありますから、売上枚数、ヒットチャートの真実も然ることながら、それは確実にゴミの山を量産しています。

 

ちなみに私はここ何年もCDもDVDも買っていません。音楽はもう昔のように聴きませんし、映画やドラマもネット配信やケーブルテレビで観ることができます。どうしても欲しいものがあれば買うかもしれません。ドラマ、映画や教養番組、ドキュメンタリーなど必要であれば録画してブルーレイに焼いたりはしています(最近はこれも減りました)。これもまたゴミになる日が来るのでしょう……。ひとつ思うのは、定額制動画配信サービスであらゆる作品を網羅してくれたらいいのにな、と。けれども、そのすべてのサービスと契約したら結構なお値段になってしまいます。でも、ドラマをCMなしで繰り返し視聴できるのはとても魅力的です。録画し忘れて見逃すという悲劇やストレスからも解放されます。

 

CD、DVDの他に、カセットテープとビデオテープも大量にありました。これらは分別してほぼ全て捨てました。捨てられずにいたのには理由があったからなのですが、今となっては全く不必要なものと成り果てていました。ゴミ集積所に出すのも重くて大変でしたが、たいへんすっきりしました。

 

捨てるだけではない、整理整頓圧縮収納のCDとDVDのお片づけ&処分でしたが、終わってみればなかなかおもしろい作業でした。「お片づけ&処分」のスタートとしては、上々の出来であり、ここからの作業へのエンジンがかかりました。

 

古いものを捨てたので、新しいものが入ってくるでしょう。

物理的処分なので空間的余裕ができるのは当たり前ですが、心のなかにも余裕ができます。余裕ができると新しいことができます。これも「死神カード」が教えてくれることです。

 

ここだけの話ですが、「こんなもの!」という類いのちょっとトラウマなCDは、それを有害ゴミに出すという決断がトラウマを断ち切るのに役立つ良い作業となった、と思います。

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