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「人生はどこでもドア リヨンの14日間」(文庫版)稲垣えみ子〜ラジオ深夜便 ベトナム・ハノイ旅行

  文庫版を買いました。

 

「人生どこでもドア リヨンの14日間

稲垣えみ子著 幻冬舎文庫

 

 この本は図書館で借りて読み、すでにこちらに読書エッセイを書いている。

 この本ほしいなぁ、読みたいときに読みたいな、と思っていたところ、この度文庫本となって出版された。よかった、安く買える。

 

 稲垣ファンの私は、稲垣の本をすべて図書館で借りて読んだ。なぜならお財布と相談しなければならなかったから。

 以前から文庫になっている「アフロ記者」。ゆっくり再読したいのと、やっぱり本を手元に置きたい欲望に逆らえず、そして単行本より安いので、購入。

 その後、あれ?他にも文庫がある、と気づいた私。

「魂の退社 会社を辞めるということ」「寂しい生活」が今年(2024年)に入って、5月7月と連続して出版された。思わず購入。

 そうしたらこの9月に、「人生はどこでもドア」が出るというので、予約までしてしまった。

 幻冬舎が、稲垣えみ子の単行本を次々と文庫化してくれている。

「アフロえみ子の四季の食卓 」「もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓」は、昨年(2023年)にすでに文庫になっている。こちらは未購入。

「もうレシピ本はいらない」は、TBSラジオの「たまむすび」(2012年4月〜2023年3月)で、パーソナリティの“たまちゃん”こと赤江珠緒が紹介していて(確か稲垣えみ子がゲストだったと記憶している)、たまちゃんがものすごく稲垣に感心していたので、即、図書館で探して借りた。ゆえに、「もうレシピ本はいらない」が、私の「初稲垣えみ子本」だ。

 それから私も、たまちゃん同様、すっかりアフロえみ子ファンになってしまったのだった。

 

 さて、内容についてはすでに書いているので、いまさらこちらにつらつらと書くまでもないと思う。

risakoyu.hatenablog.com

 

 前にも書いたかもしれないが、私は異国好きなので、こういった旅行記を読んで行った気になれるのはほんとうに楽しい。

 しかも、稲垣えみ子の旅は、そんじょそこらの旅ではない。私が絶対に経験しない(たとえ若くても)旅だ。本の醍醐味ですね。

 

 先日(2024年9月12日)のNHK「ラジオ深夜便」「ライフスタイル 令和つれづれ草」は、半年ぶりだという稲垣の海外旅行の話題だった。

「ライフスタイル 令和つれづれ草」は、いつも番組がはじまって直後のコーナーなのだが、オープニングのあとなんだか音楽が流れて、その間に私はちょっと眠ってしまって、気づいたら別の内容が流れている。え?聞き逃した?(聞き逃し配信があるんですけどね)うそ〜。そう思って時計を見るとまだ11時半にもなっていない。プログラムを見ると、どうやら今流れているのは、稲垣のコーナーのあとのコーナーのようだ。順番が変わった?

 そうこうしているうちにそのコーナーが終わり、どうなるかな、と思っていたら、アンカーの村上里和アナウンサーが「では続いて、ライフスタイルのコーナーです」と言ってくれました。やっぱり。どうしたんだろう。

 なんと、電話が繋がらなかったとか。機械に弱くて何かあったときにどうもできない、と稲垣。スタッフのおかげで繋がった、とひどく恐縮していた。

 こういうことがあるんだと、稲垣はいささかの教訓を得ていたようだが、私も同感だ。どこかとどこかを繋ぐシステム。例えばコロナ禍で多くの人がお世話になったであろうZoom、あれも、はなから繋がらなかったり(入れなかったり)、途中で切れたりしたら、どうしようどうしよう、だった。

 

 さて、半年前はメキシコに行ったという稲垣が、今回訪れたのはベトナム、ハノイ(もしかして年に2〜3回は海外旅行をされているのですね。またそういった本も出してくださるのでしょうか)。いつものように普通のホテルではなく、アパートを現地で借りた。現地の人々に紛れて、人を観察しながら暮らす。リヨンもそうだったけど、これが稲垣の旅行スタイル。すごい。

 なぜハノイ?特別な理由はないが、ひとつは、日本が暑かったので。え?普通は涼しいところに行きますよね。稲垣いわく、涼しいところに行くと帰国したときにがっかりしてしまうから。せっかくリフレッシュしに海外に行ったのに、帰国して逆に元気がなくなるという体験を何度かしているから。

 なるほど。

「暑いときには暑いところに行ったほうがいい」

 名言だけれども……私には真似できないかな。

 ハノイの気温は東京とだいたい同じくらい、だそうだ。

 

 住民たちは、日本よりはお金を持っていない感じだが、みんな生き生きと楽しそうだ。なんでだろう?

 

 夜に空港に到着。車で40分、宿の家に到着。

 暗くてじめじめした中庭の奥にある古いビル。おじさんたちがプラスチックの椅子に座ってたむろしている。そこらじゅうにバイクと洗濯物。床はひび割れて水たまりが。

 さすがの稲垣もびびる。

 わぁ、なんだ、なんだ、刑事ドラマ的な雰囲気。

 家主さんがお迎えしてくれるスタイルではなく、キーボックスの番号を合わせて鍵を取り出すシステム。暗くて番号が見えず、20分かけてやっと部屋に入る。

 なぜ番号が見えないのか。老眼だから。

 え〜、なんで老眼鏡かけないの?よく見えるのに。まだ老眼がはじまったばかりくらいですか?私もはじまったばかりのころはそんな感じだったかもしれない。でも稲垣さん、来年還暦だとすると、もう十分老眼なのでは。まあ、人によって進み具合は全く違うし、60歳でも70歳でもぜんぜん老眼じゃないって言ってる人いますからね。一方で40代で老眼鏡を必要とする人もいる⇒私。老眼初期の頃は、メガネもつくらないし、がんばればなんとかなるが、次第に細かい文字は見えなくなるし、加えて周囲の暗さが視力を奪います。ぜひ老眼鏡、をおすすめします。

 私は先日、眼科の医者にきつく言われました。遠近両用にして外歩くときもメガネかけてください、と。自分では見えてるつもりでも、けっこう見えてないから、と。でも、駅の階段とか逆に怖そうだな、などと思いつつも、手元と遠くでメガネを掛け直すのはたしかにストレスなので、遠近両用、つくりにいこうかと思っているところです。

 

 さてハノイの朝。起きると中庭にぎっしりと洗濯物が干されている。生活感すごい。

 路上には、プラスチックの椅子に腰掛けて、お茶やコーヒーを飲みながら目的なくのんびりしている人がたくさんいる。

「まるで、居間が道路に出ているみたいな感じ」と稲垣。

 う〜んこの表現、すごい。道路が居間になっているんですね。

 屋台で朝ごはん。みんな歩道で食べている。歩道はバイクと人でいっぱい。

 車道を歩くが、めちゃくちゃ危ない。

 料理の下ごしらえも路上。すべてが路上にはみ出ている。

 稲垣は真似してみようと、路上でコーヒーやビールを飲んでのんびり。ひとりで、周囲の人々がわぁわぁ会話しているのをニコニコと眺める。孤独じゃない感じ。

 

 中庭に下着まで干しているということは、中庭に面して住んでいる人たちは大家族のようなのだろう。稲垣も外に干してみようかと思ったが、「影の指定席」があって、干している場所が決まっているような気がして、やめた。なるほど、影の指定席ね。それぞれお決まりの場所があるのかも、と。ある感じがしますね。毎日のことですから。

 

 しだいに顔を覚えてもらうようになった。言葉は通じないが、親切にしてもらえるようになった。ご近所さん感がでてきた。

 これ、ちょっといいな、と思った。稲垣は言う。

「東京でも、家から一歩出ただけで、ただ座ってのんびりしている人がいっぱいいて、そこに自分も混じって誰かといっしょにいられるみたいな場所があったら、こんなにみんな孤独じゃないだろうなって思いました」と。

 日本も昔は井戸端会議があったり、洗濯物を共同で洗ったりしていた。

 お金を持つようになると、みんな家のなかに全部そろえて、個々人でやるようになる。それって、本当に豊かになっているのか、そうではないのか。

 家のなかがちょっと外にはみ出てる、半分外、みたいなみんなが行ける場所があるのはいい。

 おしゃべりしている人たちのなかにニコニコ座っているだけもいい、と稲垣は言う。

 けんかもするけど、みんな仲良しだなと思った。

 確かに、こういった自然のコミュニティがあるのはいいのかもしれない。でもたぶん令和の日本人は、みんな忙しい(?)。住宅街でおしゃべりしている人なんて見かけないし、たまに道端でおしゃべりしている中年以上の女性を見かけるが、おそらくたまたま互いに見かけてした通りすがりの挨拶の延長。

 

 稲垣えみ子の観察眼はいつもながら面白い。

 

 帰国して、暑さのギャップは?と村上に聞かれると「日本涼しかったです。もう秋になってて」と答える稲垣。

 え?ほんと?まだ暑いけど。いや、なんだったら8月より暑いような気もする9月上旬なのだが。

 

 最後に、稲垣が帰国後にベトナムを襲った台風11号を心配していた。

 

 ベトナム旅行の詳しいエッセイは「AERA」に連載されています。

「人生はどこでもドア リヨンの14日間」 ©2024kinirobotti

 

余談

最近の「楽しく学ぶ!世界動画ニュース」(テレビ朝日)での稲垣えみ子。アフロヘアではなく、おだんごヘア。とてもかわいらしいです。