ねことんぼプロムナード

新しいルネサンスの小径

自分の人生を歩んでいますか?と問い掛けてくるタロットカード「ソード8」②~そのレールは誰が敷いたの?~

承前)

「ソード8」に描かれているキャラクターは、目隠しをされ、後ろ手に縛られ、8本の剣に囲まれています。八方ふさがりとはこのことです。どこへも行くことができません。どうしてでしょう?

このカードを引いたときのごく一般的な占いの場面では、がんじがらめにされている状態であることをお伝えします。それは仕事かもしれませんし、家族に関係することかもしれませんし、恋愛かもしれません。いずれにせよ、良い状況とは言い難いものです。そこから脱出しなければいけません。この8本の剣を引き剥いて、目隠しと縄をほどくその方法を探ります。 

 

「人生」というものを考えるとき、「ソード8」が訴えかけてくる要素はたいへん意義深いものがあります。

私たちは本当に「自分の人生」を歩んでいるのでしょうか?親の引いたレールの上を歩いているだけではありませんか?世間体や流行、誰が決めたのか分からない規則や常識なるもの、日々の生活のなかでどこからともなく入ってくる誘惑に振り回されているだけではありませんか?

親は子どものことを心配してあれこれ助言をするのですが、往々にして親本位です。奇跡的に公平な親もいますが珍しいと言わざるを得ないでしょう。行きたい大学で自分が勉強したかったことができなかった、という人はいませんか?(実力不足からではなく)。やりたかった仕事を環境的理由から諦めたという人はいませんか?

親の言いなりになったことが功を奏しているように見えることもあるかもしれませんし、心の空洞を別の事で健全に埋め合わせることができている人もいるかもしれません。けれども不本意に選択した自分の人生のあり方を無理に正当化しようとするとき、それはどこかで歪んでいきます。破たんすることあるかもしれません。本当の幸福を感じていないからです。それを宗教などで補う人もいます。アイデンティティ復活のために。カルトにはまらないことを祈るばかりですが、カルトに財産をつぎ込むことで意識的にせよ無意識にせよ家族などへの復讐を遂げて傷を縫合しようとする人もいます。そうすることで心が壊れてしまうのを防いでいます。

余談になるかもしれませんが、このことで私がいつも思い出すのは私のいとこのことです。彼は大学へ行きたかったのですが、父親が家業を継ぐように強要していました。父親がようやく折れて彼に与えた選択は、医学部なら大学進学を許す、というものでした。医学部には合格しませんでした。そもそも医者になりたかったのでしょうか?彼が進みたかった学部なら合格して大学で学ぶことができたでしょう。とても頭の良い人だったのです。その後彼は家業である店を継いで、お金持ちで、結婚もして子どもにも恵まれて幸せそうでしたが、あるときからキリスト教徒になりました。キリスト教が良いとか悪いとか言っているのではありません。従順に父親に従ってはいましたが、彼なりに思うところはあったのではないか、と想像してしまうのです。けれどもそれはそれで、宗教的解説に従えば、彼を信仰の道へ導くための人生行路だったということになるのかもしれません。

 

あなたの周りにもそういう人、いませんか?あるいはあなた自身がそうですか?「ソード8」の人生を歩んでいる人です。

私たちはときどき気づかぬうちに誰かの言いなりになっていることがあります。いや、そもそも誰かの助言や命令、宣伝文句、仕組みなどを疑うことなく受け入れているかもしれません。年長者がみな視野が広いわけでも、有益な知恵を持っているわけでもありません。商業CMならいささかナナメ目線で見ることはできるかもしれませんが、それでも流行に乗り遅れないようにするかもしれません。そして、助言や宣伝に逆らわないでいるだけなのにもかかわらず、自分のするべきことを正しくしている、私はやりたいことをやっているんだ、などとすっかり思い込まされてしまっているという現状が堂々と横たわっていたりします。目隠しされているので真の道が見えないのです。

 

では「ソード8」はどうするように助言してくるのでしょう。

「他人の人生を生きずに自分の人生を生きなさい。そのためには自分を優先させるのです。自分の希望を守らなければいけません。自分以外の誰かに権威を譲り渡してはいけません」

 

「No7戦車」のカードを見てください。この御者は、余所見をせずに自分で手綱を握っています。その手綱を誰かに渡してしまっている状態が「ソード8」です。助手席や後部座席にのんびり座って、ときに居眠りしているほうが楽ちんと思うかもしれません。ですがそのような旅人は、心地よいうたた寝から目覚めて、ここは何処だろうと辺りを見回したとき、行きたかった所とは全く違う場所に到着していることに気づいておおいに嘆くことになるでしょう。

===③へつづく

 

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