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「ハケン占い師アタル」「トクサツガガガ」~それでも良質ドラマはある~とうとうついに日本のTVドラマがまずほとんど楽しめなくなったということについて「2019年冬ドラマ」②~

日本のドラマに落胆しているドラマフリークとして、①の記事では酷評を書かせていただいた。なお、タイトルがあがっていないドラマについては、気づいていないか、個人的に観る価値を感じていないものです。

 

そんななかでも良質のドラマはある。

特に女優の活躍が目立つ。

先の記事で「2019年2月7日木曜日に観たドラマ」にもあげたなかにもある。 

ハケン占い師アタル」テレビ朝日木曜夜9時

脚本 遊川和彦

杉咲花志田未来野波麻帆板谷由夏/志尊淳/間宮祥太朗小澤征悦

及川光博若村麻由美

私が占い師だからというわけではないが、なかなか面白い。

主人公のアタル(杉咲)は、占い師というより霊能者。母親(若村)との関係は謎で、クライマックスへ向けて解き明かされていくようだ。

同僚たちひとりひとりの問題を解決していくという物語は定番と言えば定番だが、遊川脚本の場合、批判性と愛が人間の深層心理や社会とのつながりを天才の筆でついてくる。それを可能にする主人公の特殊能力は、NHKの朝ドラ「純と愛」でも描かれていた。朝ドラとしては物語の深刻さもさることながら、それ自体が異質だった。

配役も良い。それぞれの俳優が上手に使われていると思うし、また上手に演じていると思う。こういうドラマはアメリカより日本のほうが得意だ。

杉咲花志田未来のファンだそうで、共演に緊張し喜んでいる、との記事があった。

 

トクサツガガガNHK金曜夜10時

原作 丹羽 庭

脚本 田辺茂範

小芝風花倉科カナ木南晴夏森永悠希/寺田 心/竹内まなぶ松下由樹

面白い!特撮オタク女子のドタバタコメディ。

「大切なことは子どもころに特撮ドラマから学んだ」と断言する主人公・仲村叶(かの・小芝)。確かにその通りかもしれない、と私も思う。「正義の味方意識」だったり「互いの能力認識と協働」だったり。けれども特撮に夢中になった子どもたちも大方、例えば電車のなかで高齢者などに座席を譲らない大人になってしまう。

母親(松下)は「女の子らしさ」を押し付けてくる。叶は、特撮なんか見るもんじゃないと子ども時代に母親から一喝されている。母娘のいわゆる確執も、特殊な設定のなかで描かれている。

ある種の社会派ドラマでもある。

さすがNHKと言うべきなのか。特撮キャラもしっかりつくり込んでいる。

ゴールデンボンバーの主題歌も良い。何度も書くようだが私は、日本のドラマで使われる歌手やアイドルの歌が好きではない。ドラマの雰囲気を壊しているものが多いし、そこはアメリカドラマの洗練されたシンプルさを学んでほしいと思っている。が、これはバッチリ合っている。こういうのは歓迎だ。

 

「家売るオンナ」日本テレビ水曜夜10時

脚本 大石静

主演 北川景子

シーズン2。レベルが落ちていない。

このドラマは北川景子の役者の幅を広げた。コメディを演じるのは決して簡単ではない、と私は思っている。極端なことを言えば、二枚目の主人公は演技力がなくてもできる。日本では、顔と人気だけで十分というアイドルドラマの悲劇がある。

なんということはない、大した深い意味もないドラマ、と言っては失礼かもしれないが、それだ。だが面白い。これは面白ければいい、そんな安定感のあるコメディドラマ、と言えるだろう。

とはいえ、家を探している人々(一話完結のゲスト)の問題解決を通して、社会性や人の心模様も見えてくる。

 

「私のおじさん(テレビ朝日金曜夜11時15分)」

主演が岡田結実ということでとても期待して観たが、期待するほどでもなかったというのが正直な感想。妖精という「おじさん」の存在が、コメディになりきれていないように思う。自分の弱さと直面して乗り越えていく女性を、第三者的目線の存在が助けるという設定はよくある。舞台がテレビ番組制作会社といういわゆるブラック企業であるところは興味深いが、パワハラな人々が実はいい人だった的な表現は古い、と私は思っている。これだとパワハラを肯定していることになってしまう。前にも書いたが、映画やテレビドラマは一定の社会的要素を持っており、それを世の中に広げていくという使命、あるいは広げてしまうという良くも悪くも影響力を持っているからだ。

親子ドラマでもよくある表現は、子どもをいたぶっておいて、お前のためだったのだとか、本当はおまえを愛しているんだとか、あとから理解し合って涙を流すというステレオタイプは、行動分析やサイコパス研究が発展した21世紀においてはすでに古い表現であり、ときに悪質な固定観念を定着させる手助けとなってしまう。

内容とは別に岡田結実の実力、ドラマ、バラエティ、司会なども含めてその才能の多彩さぶりは、ここ1年ほどですでに評価の高いところだろう。コメディ女優としての今後に期待。

 

評価の高低は別にして、女性主演ドラマということでまとめれば、

「スキャンダル弁護士QUEEN」「グッドワイフ」「メゾン・ド・ポリス」

をあげなければならない。これは先の記事に書いたのでここでははぶきます。

 

「絶対正義」フジテレビ土曜夜11時40分

原作 秋吉里香子 

脚本 仁志光佑 他

主演 山口紗弥加

2月2日からはじまった。

初回は見逃し2話目から視聴。面白そうではある。

山口紗弥加は、良い人も悪い人も、けっこうな迫力で演じてきた役者。「正義とはなんだ」というストーリーもさることながら、主演女優・山口に注目して観てみるのもドラマの楽しみ方のひとつかもしれない。

 

2019年冬ドラマ、これから後半に入ります。