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コロナでやせる?ふとる?〜嗅覚味覚鼻声など後遺症〜安住紳一郎アナウンサーからの情報がありがたかった

「せやろがいおじさん」こと、お笑いコンビ「リップサービス」の榎森耕助が、昨年コロナに感染したとき、軽症だったのか無症状だったのか忘れてしまったが「ホテル療養中に規則正しい食生活をしていたせいで体重が増えた」と語る動画をYoutubeにあげていた。

 そのことを思い出して、コロナ感染ピーク中だった私は「いいなぁ」と思った。

「食べられる」ってなんて幸せなことなんだろう。

 さらに思い出したのは、今日はこんな弁当だったという情報をSNSにあげたり、ニュースのインタビューに答えたりするホテル療養中の人々だ。あの人たちも普通に食事ができていたんだな。弁当の画像を見ると、コンビニでよく見かける弁当のようで、病人食からほど遠い。あんなもの、普通に食べられてたんだなあの人たち。うらやましい。

 せやろがいおじさんは仕事柄、食生活は日々不規則になりがちだろうから、生活状態は健康的になって、そしてずっとホテルの一室にこもっているのだがら…太るよね。

 

 なぜ私は「いいなぁ、うらやましい」と思ったのか。私は、自宅療養期間中ほとんど食べることができなかった。ゆえに、あっという間に3キロ痩せた(おそらくこれはほぼ1日の出来事だった)。普段だったら3キロ落とすのはなかなか大変なのに。

 今は戻りつつある。いや、せっかく痩せたんだから、このままコロナダイエットということで(不謹慎でごめんなさい)この体重を保ちたい気持ちも能天気によぎった。けれども、体力回復や免疫力を高めるために、栄養を摂取することは大事だ。

 

 なぜ、食べられなかったのか。前の記事(※下にリンク)にもすでに書いているが、私の場合は感染中に嗅覚と味覚に異常が現れた。すなわち、美味しく食事ができないのである。

 味は、ないのではなく、まず口のなかに苦味があらわれて、舌の感じがおかしくなって、それから特定の(まずほとんどの)食べ物が不味くて不味くて食べられなかった。カレーと海鮮丼の不味さには驚愕した。

 水も変な味がする。というよりも、本来するべき味を感じない、味が足りないとでもいったらいいのか…。

 それと、「うまみ」を感じなくなっているようだった。すなわち、それなりの味はして不味すぎて食べられないというものでなくても、今までのように美味しくない。今までと味が違う。ゆえに、最後まで食べ切ることができない。

 そんななかでなんとか美味しく食べることができるのは、甘いものだった。とくにあずき(あんこ)は普通に食することができた。おもちにあんこをまぶして食べた。ありがたい。正月だし、ちょうどおもちもあんこもあった。助かった。

 匂いは、本当に全く感じなくなった。鼻がつまっているからかな、と最初は思っていたが、どうもそうではなく、コロナの症状のようだと自覚しはじめた。匂いのない世界は恐ろしかった。らっきょうが腐っていないか確かめようと瓶の蓋をあけて匂いを嗅いだとき、何も匂わなかったのには愕然とした。その日はあの不味いカレーを食べた日だった。

 

 この状態はいつまで続くのだろうと訝った。このまま一生続くのではないかと悲観的になったりもする。なにしろ身体が元気ではないので、よりネガティブになる。当たり前だ。こんな状態でポジティブでいられる人がいるのだろうか。どこかにはいるか。

 嗅覚味覚の後遺症は長引く人もいるが、たいていの人は半月からひと月で戻ってくるらしい、という情報を信じるしかない。でももしかしたら、予約が1年以上も取れないという後遺症外来とやらに行くことになるかもしれない…。

 

 ウイルスのピークが過ぎたのか、ありがたいことに、一日一日とよくなっていった。感じなかった味を感じるようになり、匂いも徐々に戻ってくる。

 興味深いことに、味も匂いも、いっぺんには戻ってこない。種類別に戻ってくる。どのような匂いや味から戻ってくるのか、それはおそらく人によるのではないかと想像するのだが。

 

 私は、自分の仕事机の近くにおいてある小さな引き出しのなかにお気に入りのアロマオイルをしまってあるのだが、それが匂うかどうかを毎日確かめた。嗅覚異常に気づいたときには、本当に何も匂わなかった。ヤバかった。それから2〜3日して少し匂った。マッサージ店からいただいたアロマも匂ってみた。うっすら匂った。それからはどんどんよくなって今はこれまで通りアロマの匂いを感じることができている。

 トイレとか玄関とかの消臭芳香剤は、比較的はやく匂うようになった。変な話だが、トイレの便の匂いはなかなか戻ってこなかった。ほぼほぼ最後に戻ってくるようだ。

 いわゆる悪臭のほうが戻りが遅いのだろうか。服やタオルなどの繊維の匂いのほうが匂いとしては薄いと思うのだが、悪臭よりもはやく戻ってきた。アロマの次くらいかな。

 先日、屋外の夕刻の匂いが鼻をかすめたときは嬉しかった。

 そんなこんなで、味もかなり戻ってきたと思われるところで、松屋牛めしとサラダと豚汁をテイクアウトしておそるおそる食べた(数日前に食べたハンバーグがえらく不味かったので)。過去と同じ味がした。よかった。うまみの感覚が戻ってきた。

 

 今回、匂いも味も、それぞれの種類で感じる能力に差が出るのだな、と気づいて感心した。匂いも味も、単純ではないのだ。人間の嗅覚も味覚も意外と複雑で繊細なのだ。失ってはじめて分かる、その大切さ。

 私はもともと匂いに敏感なので(中高生の頃は匂いで人を判断できた)、匂いのない世界はなんと言うか、色のない世界のようだった。

 

 余談だが10年ほど前、友人がアロマの販売をしていて、多種多様なアロマの匂いを試させてもらったとき、どうしても何も匂わないアロマが私にはあった。友人はちゃんと匂っているという。そのアロマの効能成分が私には足りていない、ということだったのだろうか。友人はそんなようなことを言っていたと記憶している。そんなこともふと思い出した。

 

 TBSのアナウンサー安住紳一郎も新年早々コロナに感染した。復帰したとき鼻声だった。私も鼻声がなかなか治らないので、やっぱり、と思った。

 その安住アナウンサーが1月17日の朝のニュース番組内で、コロナの後遺症の話をした。自分の声がまだお聞き苦しくて申し訳ない、と謝っていた。そして、この後遺症に治療薬があるわけではないので、1〜2ヶ月の自然治癒を待たなければならないのだそうです、と語った。

 この情報はありがたかった。こうしたことをはっきりと発信してくれる人はまずいない。なんとなくみんな「だんまり」を決めている(当初、コロナ患者を差別するという現象があったからなのかなんなのか)。おそらく病院でもそうだろう。もちろん、ほとんど何もはっきりわかっていないうえに治療薬もない、という理由からだろうが。

 

 17日は、家でつくった夕食をきづいたら普通に食べていた。

 そしてこれから、スーパーの普通のお弁当や、カレー、ラーメンを食べて、味覚が戻ったことを確かめていきたいと思っている。

 あ、そうそう、『西友の「みなさまのお墨付き」のナポリタンソース』は、カレーやラーメンや海鮮丼が超まずかったときにも食べることができた。少し甘いからなのかな、と思った。ラーメンは、塩なのか醤油なのか、味がぴりぴりと口のなかと喉を刺激して食べられなかったので、近々ぜひ挑戦したい。

 

 コロナの後遺症として集中力がなくなるなどの思考能力に支障が現れる場合がある、という報道は、コロナ禍に入って半年ほど経過したころからあったと記憶している。

 実は私はそれをいちばん懸念していた。が、それはなかったようだ。

 本が読めなくなったら困るな、といささか心配していたのだが、柄谷行人の「力と交換様式」を読み終えることができた。もちろん、すこし具合がよくなってから読みはじめた。図書館で借りた本だったので、返却期限がある。読めないかな、もう一度あとで借りるしかないか、と心でうだうだ考えていたが、読めた!よかった!内容の濃い、約400ページの本だ。このことで、集中力、思考力には問題がないようだな、とひと安心できたのもよかった。本が読めなくなったら、余生の楽しみがなくなってしまうので(本の匂いを感じることができなかったときはショックだった)。

 けれども、集中力、思考力に後遺症が残っている方々も多いと聞く。一日もはやいご回復をお祈りします。それから、治療方法が解明されると良いですね。

 にしても、コロナはいったいいつ収束するのでしょう。

 

 COVID19は、ロックダウンも含めて多くのことを人類につきつけてきた、と私は思っている。気候変動も含めて、個々人の、そして人類の根本的な変革が求められているのかもしれない。

読書をするツトム ©2023kinirobotti

(※)こちらもどうぞ。

risakoyu.hatenablog.com